体質改善の根本療法

 

「タカダイオン・電子負荷療法」

 

 アレルギー体質改善(花粉症改善) なっとくノート

アレルギー疾患・花粉症・黄砂・PM2.5 ・気管支喘息改善・蓄膿症など

 

タカダイオン電子治療器による「電子負荷療法」は適応症(効く病気)の範囲が、他の治療器とは異なって、非常に広く、たいがいの病気によく奏効し、そのため健康の増進は勿論のこと、病後の回復も増進し、しかも老化の防止や美容、若返りにも役立つなど、現代医学の常識では、到底信じられぬほど数々の治療効果をあらわし、それに加えて安全無害の療法であるために、長期療法を必要とする特殊な病気、例えば気管支喘息のような難症の根治(アレルギー性体質の改善)をすら可能にするなど、全く画期的な療法であります。

これは絶対に誇張ではありません。このように電子負荷療法は、数えきれぬほど沢山の病気によく効き、特に従来の薬物療法では中々治癒し難い病気に効くために「タカダイオン電子治療器」は家庭用として益々歓迎され、多大な好評を博しております。

 

 

アレルギーとは

 

免疫機能の異常によって起こされるものです。

 

「アレルギー」のしくみ

本来、免疫機能はウイルスや細菌といった人体に有害な働きをするものに攻撃をしかけ、無害化したり、排除したりする人体を守る防衛機能です。このために、人体に対して無害なものや有益なものに対しては働かないようになっています。

これを「免疫寛容」という表現がなされています。

 

私たちの体の中には細菌やウイルスなどの外界からの異物から身を守るために「免疫」というしくみがあります。一度「麻疹(はしか)」にかかると、普通は二度とかかることはありません。

これは、体の中の免疫のしくみが「はしか」にかかったことを覚え込んでいて、次に「はしか」のウイルスが体の中に入ろうとした時に退治してしまうしくみがあるからです。このように、とても大切な免疫のしくみなのですが、実はアレルギーと密接な関係があるのです。

 

アレルギー体質の人は外界から異物が入ることに非常に敏感になっています。ここで言う異物とは、花粉やホコリ、ダニ、動物の毛、いろいろな食品などです。

 

花粉に敏感なアレルギー性鼻炎(花粉症)の人は、花粉が飛ぶ時期になると様々な症状が出ます。花粉を体の中に入れないように、鼻の中に入った花粉を鼻汁でからめ取ってくしゃみと共に外に出そうとします。また、花粉が鼻の奥深くに入らないように鼻の粘膜が腫れて鼻がつまった状態になります。これが花粉症の人に 見られる苦しい症状となって現われます。

 

花粉症の人とそうでない人では、この「免疫寛容」に違いがあります。

 

正常であれば、花粉は本来無害なもので免疫システムからの攻撃を受ける対象ではなく、花粉がやって来たからといって特に何事も起こらないのです。

ところが花粉症の人の場合、何らかの理由により、本来無害なはずの花粉に対して「異物」と誤認してしまい免疫システムが働きB細胞が抗体をつくり出してしまうのです。

また、この時の花粉は抗原=アレルゲンということになります。

 

ここでつくられる抗体はIgE抗体(Y型をしています)ですが、これはマスト細胞(花粉では鼻粘膜上のマスト細胞)と結合します。マスト細胞はこの抗体により識別できる「抗原」(この場合は花粉)がやってきたと認識すると、ロイコトリエンやヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し抗原(花粉)を攻撃します。攻撃しての相手が「花粉」ですからいくら攻撃しても効果もなく、また花粉ですから次から次へとやってきます。このためいつまでもヒスタミンの分泌は収まりません。このとき、あるヒスタミンは神経線維を刺激して炎症を起こし、かゆみや腫れなどのアレルギー反応が現れます。花粉症の場合、涙が出たり、鼻水が出た りするときは「抗原」である花粉をなんとか洗い流そうとしているのかもしれません。

 

悪いことに、炎症を起こしたところには好中球などがたくさん集まってきて、侵入してきた細菌などを攻撃すべく活性酸素が大量に発生します。このため、今度はその活性酸素によって周りの組織が損傷を受けることになります。この好中球による活性酸素の害というのは、花粉症ばかりか、人体では何らかの炎症を起こしている場所において、深刻な問題になっている、という認識が急速に広まっているようです。

 

抗体というタンパク質は、A,D,E,G,M という5種類があります。これはそれぞれ得意分野があり、受け持ちの病原体などと結合し補足することにより処理するのです。

問題となるIgE抗体は、本来寄生虫に対して働く抗体であると言われています。人類の歴史において、現在では寄生虫は駆除され殆ど存在しないのが現実です。

現代人は、寄生虫が殆ど存在しなくてもIgE抗体をつくる能力は依然として維持しています。このため、さまざまな化学物質などによる影響等など、何らかの間違いで花粉やハウスダストといった、本来無害であるものに対しても「敵」や有害な「異物」として攻撃を仕掛けるようになるのです。

 

アレルギー反応は、皮膚で起これば痒くなり、鼻で起こればくしゃみ・鼻水・鼻づまりになり、気管支で起これば喘息の発作が起こります。同じメカニズムなので、アトピー性皮膚炎と気管支喘息、気管支喘息とアレルギー性鼻炎というように、2つ以上の疾患を抱えることもあります。またこれらの症状を交互に繰り返す場合もあります。このことをアレルギーマーチと呼びます。

 

アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を「アレルギー4大疾患」と言いますが、その特徴に「アレルギーマーチ」と呼ばれている現象があります。

アレルギーマーチとは、乳幼児のころに「湿疹」や「アトピー性皮膚炎」が発症し、幼稚園から小学校に入学するころになると「小児ぜんそく」が出るようになり、中学生ころになってぜんそくが治ったかと思うと、次は「アレルギー性鼻炎」が発症するというように、成長とともにアレルギーの症状が変化していく現象です。

このように、アレルギー体質は常に発症しやすい場所を見つけては症状を出すのが特徴で、この病気のやっかいな点なのです。

ところが最近では、子供の頃はなんのアレルギー性疾患もなかったのに、大人になって突然、アトピー性皮膚炎が発症したり、アレルギー性鼻炎を発症したりする方が目立つようになってきました。つまり、アレルギー性鼻炎をはじめとするアレルギー性疾患は、遺伝による体質だけでなく、アレルギーを起こす物質・アレルゲンとの接触が大きな原因です。スギに代表される花粉やハウスダストといった環境的な原因に加えて、受験、就職や職場の人間関係、社会的なストレスも考えられています。

 

アレルギーには他にもアレルギー性結膜炎、アレルギー性胃腸症、蕁麻疹、接触性皮膚炎も含まれ、最近よく聞かれるアナフィラキシー(急激にアレルギー症状を 起こして、ショック症状を引き起す)もそうです。アナフィラキシー・ショックは時として死に至る場合もあり、時々ニュースでも話題になるほどです。

それ以外にも最近では食物アレルギー、昆虫アレルギー、薬物アレルギー、日光過敏症、さらには電磁波アレルギー、金属アレルギーなどアレルギーの原因となるものが増えてきています。まさに現代病とも言える病気です。また自らがアレルギー原因となることから免疫疾患としてリウマチなども同じように考えられることがあります。

 

アレルギーは遺伝なのか

 

よく花粉症は親から遺伝してしまうものなのか?という質問を受けますが、花粉症はアレルギー疾患であり、花粉に限らず遺伝するものであると言われています。

例えばスギに対する花粉症の方がいたとします。すると、そのお子様はスギ花粉症になる可能性が高いと言われています。

さらに、魚屋卵やそばなど特定の食べ物に対するアレルギーも遺伝されやすいようです。

しかし、だからといって絶対に遺伝するか?というと必ずしもそうではありません。ですから、親がスギ花粉症だったとしても子供は花粉症にならない場合もあるのです。

また、卵アレルギーや魚アレルギーを親が持っていた場合、子供が同じようにアレルギーを受け継がない場合もあります。

このように遺伝的要素は、あくまでも遺伝の可能性に過ぎません。

 

一般的に父親よりも母親がアレルギー体質の方が子供に遺伝されやすいとされています。統計では、母親がスギ花粉症である場合、高確率で子供もスギ花粉症となる場合が多いようです。

 

このようにアレルギーというのは一筋縄ではいかない問題です。

 

免疫機能と抗原・抗体

 

「アレルギー」のしくみの項で免疫について簡単に説明しましたが、人の体には、細菌やウイルスなどの有害な物質(抗原)が入ってくると、それらが生存・増殖できないように働くシステムが備わっています。これが「免疫機能」です。そして、その際につくられるものが、「抗体」です。一度感染した細菌やウイルスに対しては、その抗体が即座に反応するようになります。それによりウイルスに感染しても、何日も寝込むような大病にいたらずに済むわけです。

はしかやおたふく風邪などは、誰もが必ず一度は罹るウイルス性疾患です。しかし、一度かかると、二度と罹らなくて済みます。同様にして、インフルエンザの場合も、同じ種類のものは罹り難くなります。すべてこの免疫機能によるものです。

も し人に、この機能が備わっていなかったら、自分自身が感染して周囲に撒き散らしたウイルスによって、その後も、何回も感染してしまうことになります。そして、その都度高い熱を出して何日も寝込んでいたのでは、体力が無くなれば、最後には死んでしまいます。ですからこれは人が原始時代から続く、細菌やウイルスとの戦いの結果獲得した最大の防衛機能と言えるものです。あるいは、人類として誕生する以前の哺乳類の誕生の時まで、さらには陸上生物の誕生の時まで遡 るものかもしれません。

いずれにしてもこれは人間にとって、絶対に無くてはならない機能なのです。ただし、ここで見落としてはならないことは、この機能の本質が生物物質を“再現・復元”するシステムであるということです。

初めて感染する細菌やウイルスに対しては、免疫が出来ていないために繁殖・増殖を阻止することができません。侵入してきた細菌やウイルスは、体内で爆発的に増え続けます。そのため発病します。高い熱が出るのはそのためです。

しかし、一度抗体がつくられると、再度侵入してきた細菌やウイルスに対しては、以前に感染した時につくられたプログラムが即座に発動します。それにより、ごく短時間で、抗原(異物)の活動を押さえ込む物質がつくられるのです。つまり、最初に感染した時の記憶が体内に残されているわけです。ですからこのシステムは、記憶と生体物質を製造するプログラムが一体化して機能していることになります。

 

自己免疫疾患(アレルギー疾患)の原因

 

「花粉症」、「アトピー性皮膚炎」、「食物アレルギー」 といった疾患は、医学的には自分の身体を護るはずの免疫機能が暴走して、逆に自分自身を攻撃するために発生すると考えられています。ただし、なぜそうした異常な事態が発生するのか、その原因は解明されていません。

アレルギー反応の一つである「花粉症」のしくみについて、医学的には、次のように説明されています。

「人の体の中にスギなどの花粉、つまり抗原が入って来ると、血液中のリンパ球がこの抗原に反応して、IgEと呼ばれる抗体をつくり出します。この抗体は、体の中に分布している肥満細胞の表面にくっつき、体内に入って来る抗原と結合します。この時に肥満細胞からヒスタミンを中心とする刺激性の強い化学物質が出て、神経と血管を刺激します。この刺激で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが起こるのです。」

 

これが「花粉症」の発生のしくみです。通常であれば異物(抗原)とみなされないスギやヒノキの花粉が、アレルギーの人では、なぜか免疫細胞によって異物としてみなされてしまうのです。しかし、ここでの最大の疑問は、太古の昔からあったスギやヒノキの花粉が、なぜ病気を引き起す原因物質(抗原)になってしまうのかという点です。

自然界にもともとあったものが、今日では病気を引き起す原因になっているのです。歴史的に見ても、これは江戸時代には無かった病気です。明治・大正期にも無かったはずの病気です。

しかも食物アレルギーの場合は、これまで日本人の主食であった米、小麦、そば、玉子、牛乳といったものが原因物質になってしまいます。昔はこれらの食物を食 べたからといって、死んだ人はいませんでした。ところが今では、これらの食没で「劇症型のアレルギー(アナフィラキシー・ショック)」を起こして、何人もの人が亡くなっているのです。こうしたもっとも肝心な点が解明されていないのです。

 

それは現代医学が、免疫機能というものを、かなり狭く解釈しているためです。人体に有益なものだけを、免疫機能として捉えているからです。この定義付けにそもそもの間違いがあるのです。なぜなら免疫機能というのは、必要な生体物質を製造するシステムであり、また、かつての出来事を自動的に“再現・復元”する ためのメカニズムだからです。しかもこの機能は、人が生まれてから活動を開始するのではなく、胎児期からすでに活動しているのです。

ですから自己免疫疾患(アレルギー疾患)というのは、免疫機能の異常によって起こるのではなく、本来の免疫機能の負の側面として発生するのです。言い換えれば、正常な免疫機能の働きが結果的に、さまざまな疾患をつくり出しているということです。

 

確認の意味でもう一度繰り返しますが、免疫機能の異常によって引き起こされる病気(疾患)というものは、現実には存在しないのです。

 

免疫機能の本質は、以前に体験した出来事を自動的に“再現・復元”するメカニズムだからです。そのメカニズムが人体にとって有益なものとみなされたとき、「免疫機能」と呼ばれ、有害なものとみなされたときに、自己免疫疾患(アレルギー疾患)と呼ばれているのです。

 

アレルギーは免疫の暴走?

 

アレルギーとは、いわゆる人間の免疫システムのバランスが崩れて、一部の免疫力が暴走してしまうために起こると言われています。

 

人間の体の中に細菌やウイルスなどの異物が侵入してきたときに、これを攻撃する免疫力が人間には備わっています。私たちの周りには、無数の細菌やウイルスが存在します。これに人間の免疫力が働いて体を守ります。

この免疫システムのバランが崩れ、本来人間の害にそれほどならないダニや花粉、猫の毛などに、一部の免疫力が過剰に働き、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症物質を放出して、炎症を起こしているのがアレルギーです。

炎症が皮膚で起こればアトピー性皮膚炎、鼻で起こればアレルギー性鼻炎、気管支で起これば気管支炎になります。

 

【気管支喘息の場合】

 

気管支喘息の場合には、過敏になっている異物(ダニやホコリなど)を吸い込むと、これを外に出そうとして咳が出ます。また、異物を肺の中まで入れないように気管支を細くしてしまうために呼吸が苦しくなってしまいます。アレルギー体質を持っていない人では、花粉やホコリはかなり多く吸い込んでも殆ど変化はありませんので、喘息や花粉症の症状が出るか出ないかはアレルギー体質を持っているかどうかによって決まることがわかると思います。

免疫のメカニズムやアレルギー性疾患を持つ人の体内で起こるしくみなどは研究によりかなり分かってきています。ですから、アレルギーのしくみをよく知った上で最も効果があり悪い影響が出ないような方法を選んで治療していくことが大切です。

きちんと治療すれば、必ず良い結果が得られます。一時的な治療に止まることなく、完治を目指して計画的に治療を進めましょう。

 

「気管支喘息」はどうして起こるのか?

 

気管支喘息の症状が起こる時には気道(気管や気管支など)が過敏な状態になっていると考えられます。小児の気管支喘息の場合には、アレルギー体質を持っていることにより気道が過敏になる大きな原因ですが、その他さまざまな要素が関係しています。

 

季節や時刻との関係はよく知られています。梅雨時や秋ぐちは喘息が起こりやすいこともよく知られていますし、天候が下り坂の時や台風が近づいているときに特に発作が起こりやすいこともよく知られています。

 

空気の汚れも大きく関係しています。運動、食事、ストレスなどの関与も見逃すことができません。

 

その他の解熱剤や鎮痛剤の中にも喘息を起こしやすくするものがあるので注意が必要です(喘息を誘発する成分が入っている薬の種類は多くあるため、いつもと違う症状が出ていたら市販薬で対処するのではなく、必ず病院で診察してもらう必要があります)。

 

食品添加物や自動車の排気ガスなども原因になっているようですが、これらは社会生活に深く関わっている問題で簡単には解決できそうもありません。

喘息を持っている患者さんの体調(自律神経のバランス、ホルモン分泌、感染症羅患など)も重要です。感染症に伴って喘息が悪化することがよくあります。思春期や妊娠、出産などを契機に症状が悪化していくのはホルモン分泌の変化によるものと考えられています。

小児の気管支喘息では気道の過敏性が高まっているために、咳や喘鳴、息苦しさなどが見られます。主な原因はアレルギー体質を持っていることですが、それに加えて上記に述べたような多くの要素が複雑に絡み合って気管支喘息を起こしているといえます(アレルギー体質を持っていても気管支喘息にならない子供もいることから分かります)。

 

気道の過敏性を改善していくことが喘息を治すことにつながります。生活環境の改善や発作の時の一時的な治療で終わらせないで喘息を治していくことを考えてくださるようにお勧めいたします。

 

喘息と環境

 

1. 増加する喘息患者

1960 年代に患者喘息の数は、人口の1%前後でしたが、2003年の調査では成人(15歳以上)で6~10%といわれています。特に、最近の傾向として都市部の小児と高齢者に喘息患者の増加が目立ちます。都市のような人口密集地は、農・魚村の過疎地よりも喘息有症率が高いこともあって「喘息は文明病」と言われています。1970年代に石油コンビナート工場の煤煙による大気汚染が原因となっていわゆる公害喘息が全国各地の工場地帯に多発しました。そのため公害患者 認定制度が設けられて工場の排気規制が進められた結果、最近ではこうした公害による喘息発症率は低下しています。したがって近頃の全国的に喘息患者が増えている原因は、産業の発達による環境汚染だけでは説明できません。喘息の発症因子には、1)素因2)抗原物質(アレルゲン)3)増悪因子がありますが、喘息の増加の理由は素因よりも2)、3)の 環境因子の影響が大きいと考えられます。抗原物質には吸入性抗原と食物抗原があり、生活環境におけるこれらの増加は重要な要因です。吸入性抗原とは室内塵 ダニ、ペット、カビ類や屋外の花粉、昆虫類を言いますが、最近の住宅は、気密性が高くエアコンによって室内の温度が安定しているため、ダニ、カビ、ゴキブリが繁殖し易い環境となっています。これらが家塵となって吸入量が増えているのです。また、新建材や接着剤を多く使用した建物ではホルムアルデヒドなどの化学物質による室内汚染も無視できません。食物のうち抗原となるのは、ほとんどが蛋白質です。和食中心から卵、乳製品、肉類などの多い食事への食生活の変化により蛋白質の摂取量は格段に増加しました。また、食物に添加される防腐剤や着色料の使用量も増えていますが、これらも喘息増加の一因でしょう。増悪因子のなかでは、都市化、産業交通手段の発達に伴う大気汚染物質の増加、風邪やインフルエンザなど呼吸器感染の増加、心理的ストレスの増加などが喘息の増える原因と考えられています。確かに工場の排煙は減りましたが、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物や浮遊状物質は、喘息の気管支の過敏性を高め、喘息症状を引き起こします。都市部では風邪は蔓延しやすく、それが引き金となって喘息は悪化します。家庭問題、職業・学業上の問題、健康問題、交友関係など精神的ストレスは喘息の発作の回復を遅らせ、重症化させます。喘息患者は、これら生活習慣や環境の変化が複雑に絡み合って増加していると考えられます。

 

2. 大気汚染と喘息の関係

19 世紀の英国に始まった産業革命時代、工場から出る煤煙によって多くの呼吸器患者が苦しめられました。日本で大気汚染と喘息の関係が大きな社会問題になったのは、1960年代に四日市をはじめ石油コンビナート工場のある地域周辺の住民に、工場から出る排煙中の硫黄化合物(二酸化イオウ、硫化水素など)や浮遊塵埃による大気汚染によって喘息様患者が多発したためです。これを契機に公害患者認定制度が設けられ工場の排気規制が進められ、その地域の喘息の発症は減りました。しかし、この問題はそれで消えたわけではなく、川崎公害認定患者が国と企業の責任を問う訴訟まで発展し、平成10年、地裁は二酸化硫黄および浮 遊粒子状物質(SPM)による大気汚染と喘息などの呼吸器疾患の発症または悪化との間に因果関係を認める判決を出しました。つい最近でもディーゼル自動車の排気ガス中の微粒子(DEP)が喘息の発症の重要要因であることが認められました。大気汚染物質として指定されているのは、二酸化硫黄、二酸化窒素、一 酸化炭素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンです。二酸化硫黄と二酸化窒素は、吸入すると気道を 収縮させ、気道の抵抗を上昇させて喘息症状を増悪させますし、浮遊粒子状物質のDEPは、気管支の過敏性を高めます。また、これらの物質はアレルギーに関係するIgE抗体の産生を増強させる作用を持ち、気管支内にあるいろいろな細胞を刺激してサイトカインという生理活性物質を出させて気道に炎症を起こすことが分かって来ました。こうした気道の炎症が長く続くことは、喘息の重症化・難治化の原因になります。

 

3. 天候、季節など気象の影響

喘息と気象の関係については、喘息の発作が真夏や真冬ではなく、春・秋の季節の変わり目、気候の不安定な時期に出やすいことは古くから良く知られた事実です。梅雨や秋雨の時期、移動性高気圧や台風の近づいた時、寒冷前線の通過する時に喘息症状が悪化します。気象の直接的な増悪因子は、気温、湿度、気圧などの物理的要因があり、間接的なものとして気候・気象の変化に伴うダニ、カビ、花粉などのアレルゲンおよび大気汚染物質を始めとする大気成分の量的・質的変 化や心理ストレスなどが考えられます。例えば、寒冷前線が通過するときは、雨に伴って気温は下がり湿度が上がって、大気成分と濃度が変化し、浮遊塵が移動 して喘息に悪影響を与えます。特に気温が前日に比べ5℃以上下がると発作が起きやすいと言われています。アレルゲンの季節変動を調べると、家塵ダニは気温の高い8月に繁殖し、秋にダニの主要アレルゲンである死骸からの虫体成分と排泄物が家塵中に増えます。カビも種類によって増加する季節に違いがあります。 空中花粉のスギ花粉は春、カモガヤ花粉は初夏、ブタクサ,ヨモギ、カナムグラ花粉は秋に飛散します。

 

4. ストレスと喘息

心因が喘息発作と関連することを示す好例として、バラの花粉で喘息発作をおこす婦人に造花のバラを見せたところ発作が誘発されたという有名な報告があります。一般に喘息患者は、性格的には弱く、消極的で控えめ、自分を抑えるなどの気質を持つ人が多いと言われ、喜び、悲しみ、怒り、不安などの感情が高ぶると呼吸が早くなって、過換気発作を起こしたり、気道の狭窄を起こすことがあります。ストレスが続くと自律神経やホルモンのバランスは崩れて身体に様々な影響が出ますが、気管支の収縮は緊張に傾きます。心理社会的ストレスのなかでは、家族とくに夫や妻を亡くした・亡くすかもしれない時、愛情欲求が満たされない時、自分では対処・解決できない問題に直面した時、生活リズムを崩されるような時、ゆとりのない生活を強いられた時などに生じる情動は、喘息の発症に関係すると言われています。喘息の増悪は、また発作が起きるのではないかという予期不安、社会生活から落伍してしまうのではないかという不安、もう治らないのではないか悲観による抑うつ、周囲の無理解に対する不満、怒りが原因になっていることもあります。こうした心理的ストレスが関係しているのを自覚していないこともまれではありません。

 

5. ペット喘息について

ペッ トとして飼育されている動物のうちアレルギーに関係が深いのは、ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ、マウス、ハムスター、インコやハトの鳥類です。ネコとイヌが喘息、アレルギー性鼻炎の原因になることは昔から知られていますが、最近では、モルモットやハムスターのアレルギーが増えています。アレルゲンは動物のフケ、毛、唾液、尿中に存在しています。これらの動物を実験用に扱う人にもアレルギーが良くみられます。また、特殊な例として乗馬をする人、ウマの世話をする人にウマアレルギーが出ることもあります。インコやハトは、その糞中に血清アルブミンを含んでいて、過敏性肺炎の原因となることがありますが喘息になることはまれです。

 

6. 職業喘息について

職業上取り扱う物質がアレルゲンとなって発症する喘息を職業喘息といいます。仕事をすると喘息症状が出ますが、離れれば症状は軽快します。職業アレルゲンは、植物や動物由来の高分子と化学物質や薬品などの低分子物質があります。高分子物質は蛋白質である事が多く、仕事のたびに吸入を繰り返すことでIgE抗体が作られ、即時型アレルギーにより喘息が発症します。低分子アレルゲンは、IgE抗体が作られることは少なく発症機序ははっきり分かっていませんが、気道に喘息特有の炎症のあることは普通の喘息と違いはありません。同じようにアトピー体質のある人が狭い場所で濃度の高いアレルゲンを吸入する場合に喘息が発症し易くなります。職業喘息は、仕事をした日に症状が出て休日には症状がないことから気付きます。治療に大切な事は、作業環境を改善して原因のアレルゲンを除去することです。

具体的には作業場の換気改善、間取りの変更、作業方法の改善などを行い、作業者はマスクや保護衣を着用します。職業喘息の患者はアレルゲンを回避するための 配置換えが必要になりますが、出来ない場合は転職のことも考えなければなりません。その仕事を辞めれば喘息は治るのが普通ですが、気道の過敏性は長く続く こともあります。

(アレルギー情報センター ガイドラインより抜粋)

 

《免疫システム》

 

私たちの体を守る「免疫」。それが、アレルギーの原因でもあります。まず、免疫システムを構成する白血球の分類を見てください。

これら「白血球」が「体を守る防衛隊」の仲間たちで、ヘルパーT細胞(Th1、Th2)が司令塔。マクロファージが下士官。好中球などパトロール隊や兵隊。B細胞が、ミサイル(抗体)発射部隊。といった役割分担をしながら、体を守ってくれています。

 

免疫反応は、生体にとって有害な病原体などの非自己を排除するために大切な反応です。しかし、この反応が過剰に起こってしまうと、生体にとって有害なものだけでなく正常な組織の傷害を引き起こすことがあります。これがアレルギーです。

免疫機構からこのアレルギー反応は5つに分類されます。 Ⅰ型~Ⅴ型です。

 

Ⅰ型アレルギー:アナフィラキシー型(即時型)(IgE依存型)アレルギー

即時型のアレルギーの一種で抗原と接触後、短時間で起こる反応です。通常抗原に接触した後15~20分で症状が最高になり、1時間程度で症状は消えます。この反応では抗原(花粉やハウスダストなど)が侵入後、その抗原に対しIgE(抗原特異的IgE)が作られます。次にこのIgEが好塩基球や肥満細胞と反応します。

 

好塩基球は、白血球に一種で血液に中にあります。肥満細胞(肥満といっても太っているという意味ではありません)は組織の中にあります。これら2種類の細胞の表面にある受容体にIgEが結合し、さらに細胞に結合したIgEに再び抗原が結合して反応することにより、好塩基球や肥満細胞から化学物質が放出されます。

ヒスタミンやロイコトリエンなどですが、この化学物質は血管拡張、血管透過性亢進、粘液分泌亢進、平滑筋収縮などを引き起こします。

血管拡張により血液の流れが多くなり紅く見える。

血管透過性は、血管の中を流れる血液の成分が血管の外に出やすくなることで、むくみ(浮腫)が起こります。

平滑筋収縮は、平滑筋(人間の体にある筋肉の一種で自分の意志では動かすことが出来ません)が縮むことで、気管で起こると喘息発作が起こります。

 

Ⅰ型アレルギーが起こるしくみ

まず、血管や体の中を「好中球」や「マクロファージ」がパトロールし、有害な異物を見つけると飲み込んでしまいます。

   ↓

そして、マクロファージは、自分たちだけで処理しきれないと判断するとヘルパーT細胞(Th2)に情報を出し、援軍を頼みます。

   ↓

ヘルパーT細胞(Th2)は、司令官の役割です。Th2が、戦いが必要だと判断すると、B細胞に指令を出します。

   ↓

するとB細胞は一気に増え、「抗体」を発射して「異物」(アレルゲン)を攻撃するわけです。この時、抗体とアレルゲンと肥満細胞が結合すると肥満細胞からヒスタミンなどの物質が放出されます。このヒスタミンの作用によって、皮膚の炎症や喘息、花粉症などが引き起こされるのです。

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Ⅰ型アレルギーが関わる疾患にはアトピー性疾患があります。

もともと「アトピー」とは「不思議」という意味のギリシャ語からきた言葉で、多くの人には何も影響のない物質が、一部の人にのみレアギンという物質(アレルギー性疾患の原因となる抗体でIgEに分類される)を作り出すという現象のことです。

このような体質のことをアトピー体質と呼びます。

 

アトピー性疾患には、

・アトピー性気管支喘息

・通年性鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

・アナフィラキシー

・一部の食事型アレルギー

・アトピー性皮膚炎、などが含まれます。

 

この中で純粋にⅠ型アレルギーと言えるのはアナフィラキシー、一部の食事型アレルギー、一部の蕁麻疹だけで、ほかに疾患では抗原に接触後、短時間で現れる症状(鼻水、くしゃみなど)はⅠ型アレルギーによるものですが、それに続く長引く症状は他の型のアレルギーの関わりが大きいものです。

 

アトピー性皮膚炎ではIgEが高くなっています。またアトピー性気管支喘息や鼻アレルギーを合併することが多く、Ⅰ型アレルギーだけでは説明できない慢性炎症です。

 

Ⅱ型アレルギー:細胞毒性型(細胞融解型)(細胞損傷型)アレルギー

自分自身の細胞の表面=細胞膜に対する抗体が出来てしまい、これに血液中に存在する補体というタンパク質も結合します。そのために細胞が壊される(融解)というアレルギーの型です。

赤血球、白血球、血小板などの血液細胞や組織細胞に対してIgGやIgM抗体が作られます。これらの細胞は自分自身の細胞なので本当は、抗体は作れません。それが免疫機構の異常により抗体を作ってしまうことで病気が起こります。

代表的な病気に貧血の一種である自己免疫性溶血性貧血があります。この貧血は自分の赤血球に対して抗体が出来てしまい、さらに補体も作用し赤血球が溶けます。血小板に対して抗体が出来ることにより起こる病気が血小板減少性紫斑病です。

 

Ⅲ型アレルギー:免疫複合型アレルギー

体の中で可溶性抗原にIgG、IgM抗体が結合して大きな塊を作ります。これを免疫複合体と呼びます。免疫複合体の量が少なければ大食細胞により処理され問題は起こりませんが、多くなり過ぎると処理しきれずに肝臓、関節に沈着して、組織傷害を起こします。

このようなアレルギーがⅢ型アレルギーです。代表的な病気に腎炎(糸球体腎炎)、血清病のときの腎炎・関節炎があります。

 

Ⅳ型アレルギー:遅延型(細胞媒介性)アレルギー

 

このアレルギーは抗原とT細胞が反応することによりT細胞から様々な化学物質(リンホカインと言います)が出され、炎症反応を起こします。このとき単球という白血球の一種や大食細胞(マクロファージ)が反応に関わります。

代表的なものにツベルクリン反応があります。また、臓器移植の時に起こる拒絶反応の大部分もⅣ型アレルギーです。

 

Ⅳ型アレルギーのしくみ

Ⅳ型アレルギーには、「B細胞」も「抗体」も関与しません。

Ⅰ型は、一度入ってきて戦った異物を「記憶」しますが、Ⅳ型はその点で全く違うしくみです。

一つは、「Th1」というT細胞が関与します。マクロファージや好中球、キラーT細胞が異物と戦い、その時に出される物質にとってアレルギー反応が起きます。(アレルギー反応や炎症は、あまり強くありません。)

もう一つは、「Th2」というT細胞が、指令を出すパターンです。「好酸球」が戦い、その時に出される物質が強い炎症・反応を起こします。

 

 

Ⅴ型アレルギー:抗レセプター型アレルギー

     

このタイプのアレルギーは、以前はⅡ型アレルギーに分類されていましたが、独立したタイプとして分けられました。

自己の細胞に対する抗体が作られ、細胞(組織)の機能が異常に亢進したり、細胞(組織)の機能が異常に低下したりするタイプのアレルギーです。

異常亢進するものはバセドウ病という甲状腺の働きが進みすぎる病気があります。甲状腺機能亢進症という病態です。甲状腺ホルモンを出すための指令は下垂体が出しています(甲状腺刺激ホルモン)。正常では、甲状腺刺激ホルモン甲状腺にある受容体が感知して甲状腺ホルモンが分泌されます。この受容体に対する抗体が出来てしまい、受容体に結合 するので下垂体から指令が無くても常に甲状腺からホルモンを分泌させます。

異常低下するものに重症筋無力症があります。この病気では、神経が筋肉を収縮させようと指令を出す(アセチルコリンという物質を放出する)ことにより、筋肉はこの指令を感知することが出来ないため筋肉収縮が起こりません。筋肉にある指令を感知する部分(アセチルコリン受容体と言います)に対する抗体が出来てしまい、この受容体を破壊するためです。

 

アレルギー体質になってしまうわけは?

アトピーに関係する「Ⅰ型」と「Ⅳ型」のアレルギーが起こる流れを見てきましたが、共通して言えることは、

強いアレルギー反応は、

・「リンパ球」が関与している。

・特に「Th2」が関与していることが分かります。

つまり、血液中の中で、「リンパ球」、特に「Th2」が増えてしまうと、アレルギー反応が強く出やすくなりこの状態が続くと、アトピーの原因になる、ということになります。

 

でも、どうして「リンパ球」や「Th2」は増えてしまうのでしょうか?

 

「リンパ球」の過剰は、・快適すぎる環境、・刺激やストレスが少なすぎる生活、・清涼飲料水や農薬の影響などによって、「自律神経」がかたよってしまうことが原因として考えられます。                                            

「Th2」の過剰は、・腸の「悪玉菌」が増えてしまうこと、・有害物質、・環境ホルモン、・牛乳などの影響が考えられます。これら生活や食べ物によって、アトピー・喘息が起こる体質が出来てしまうと言われています。

 

 

アレルギーの共通症状

貴方の症状の原因が、実はアレルギーであることがあります。喘息発作のようなもっと深刻な症状も起こり得る潜在的なアレルギー誘因もあります。ここでは、アレルギーの徴候であることが多い典型的な症状についてご紹介します。

アレルギーの症状は、複雑さ、重症度、徴候の点で異なります。アトピー性のアレルギーでは、アレルゲン暴露の影響は即時生じることもあります。症状は、目の痒みから、湿疹、鼻炎、結膜炎、気管支収縮、嘔吐、下痢まで様々で、程度にも差があり、まれにアナフィラキシーに至ることもあります。

 

慢性の反応性

皮膚の反応(湿疹)または喘息発作のような反応はアレルギーによって引き起こされる場合があります。例えば、進行中の肺組織の炎症は、原因アレルゲンに暴露 した後に見られる喘息発作の原因である可能性があります。喘息発作は、IgE抗体による反応以外の事象によって引き起こされることもあります。

 

徴候は様々です。

アトピー性疾患の症状は、関与するアレルゲンの他、患者の年齢により大きく異なります。乳児期には、食物(特に卵と牛乳)に対するアレルギーが最も一般的です。3歳を過ぎると、アレルギー児のほとんどはこうした食物を食べられるようになる一方、吸入性の抗原に対するアレルギーが優勢になります。特異的 IgE 抗体は多くの場合、アレルギー症状に発現し、臨床症状が現れます。

 

 

特定のアレルギー症状については、以下をご覧ください。

 

湿 疹 

 

症状:皮膚の乾燥、皮膚の痒み、じんましん、発疹

 

一般的な原因アレルゲン:食物(例:卵、牛乳、魚、小麦、ピーナッツ、大豆およびへーゼルナッツ)、イエダニ、ペット(例:ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ)など

 

何故その症状が起きるのか?

湿疹はアレルゲンへの暴露に関連し生じている可能性があります。また、湿疹が生じると 肌本来が持つバリア機能が破壊され、さらにアレルゲンに対する過敏性も高まります。また、小児における湿疹は、後に鼻炎(例:花粉症)や喘息を発症するリスクの高さとも関連しています。

 

湿疹に関する概要

湿疹は、子供と大人の両方に見られる症状です。通常、幼児期の早い時期に発現します。幼児の湿疹は、頬、体幹または腕や脚の関節部によく見られます。

湿疹の治療は難しく、有効な治療法はありませんが、ローションの使用が重要であるといわれています。また、湿疹の原因を解明することも重要です。医師による明確な診断と適切なアドバイスを得て、有効な対策をたてることが重要であるといわれています。

 

花粉症 (アレルギー性鼻炎) 

症状:鼻詰まり、口に依存した呼吸、鼻の痒み、喉・口・口唇の痒み、眼のかゆみ、充血及びまぶたの腫れ、鼻水、くしゃみ、口・気道のはれ、涙目など

一般的な原因アレルゲン:花粉(例:樹木、雑草およびイネ科植物)、イエダニ、ゴキブリや蛾、ペット(例:ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ)、その他の動物(例:ウマおよび鳥類)、カビなど

 

何故その症状が起きるのか?

花粉症(アレルギー性鼻炎)は、空中を浮遊するアレルゲンが身体に炎症を引き起こし、鼻、鼻腔、眼内での体液生成を誘発する場合に生じます。アレルギー性鼻炎は、花粉の季節に発症し、多くは季節性ですが、通年性では年間を通じ継続することもあります。

 

花粉症に関する概要

花粉症もしくはアレルギー性鼻炎は、風邪と間違えられることも多い、ごく一般的な疾患です。しかし、鼻炎は喘息など、より重厚な疾患に発展する可能性もあります。症状を繰り返したり、長引く場合は、詳細に検討する必要があります。

 

眼の症状 

症状:眼の痒み、充血および眼瞼の腫脹涙目

一般的な原因アレルゲン:花粉(例:樹木、雑草およびイネ科植物)、イエダニ、ゴキブリや蛾、ペット(例:ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ):その他の動物(例:ウマおよび鳥類)、カビなど

 

何故その症状が起きるのか?

花粉症(アレルギー性鼻炎)に関連した眼の感染症は、花粉の季節に発症し、多くは季節性ですが、通年性では、年間を通じ継続することもあります。

 

眼の症状に関する概要

結膜炎は、アレルゲンへの暴露の結果として、あるいは風邪に感染したために生じる眼球外層の炎症です。眼の症状または結膜炎は、花粉症(アレルギー性鼻炎)と併発することがよくあります。

 

消化器症状 

症状:下痢腹痛吐き気および嘔吐体重の減少

一般的な原因アレルゲン:乳児および幼児(0~3歳児)→卵、牛乳、小麦、大豆など

小児および成人→卵、牛乳、魚・甲殻類、小麦、大豆、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ及び他の木の実、果物および野菜など

 

何故その症状が起きるのか?

症状は食物摂取と密接に関連しています。しかし、消化器症状には、アレルギー、セリアック病、乳糖不耐性など、考えられる原因が複数存在するため、適切な診断は難しいかもしれません。

 

胃腸疾患に関する概要

アレルギーは、成人だけでなく小児や時には0歳児においても、痛み、下痢、嘔吐など、消化器症状を引き起こすことがあります。

 

発疹/蕁麻疹(じんましん) 

症状:じんましん発疹

一般的な原因アレルゲンナッツ類甲殻類牛乳

 

何故その症状が起きるのか?

蕁麻疹にはアレルギー性のものと非アレルギー性のものがあり、ごく一般的な症状です。アレルギーは、成人よりも小児の蕁麻疹として一般的な原因のひとつです。

食物や薬物といった物質に対するアレルギーに加え、蕁麻疹は、極端な寒暖差、水、日光、運動など直接的な物理的刺激によって引き起こされることもあります。ウイルス感染やストレスが蕁麻疹を発症させることもあります。

 

じんましんに関する概要

蕁麻疹は、痒みを伴う限局性の膨疹です。身体のいたるところに単発で生じることも、群発することもあります。蕁麻疹の発作の多くは数日から数週間のうちに急速に消失します。

 

口腔アレルギー症候群 

症状:喉の痒み口の痒み唇の痒み                           

一般的な原因アレルゲン:果物(例:リンゴ、ナシ、サクランボ、モモ、プラム、アプリコット、キーウィ)、野菜(例:ニンジン、生のジャガイモ、セロリ)、ナッツおよび豆類(例:ピーナッツ、大豆、ヘーゼルナッツ、アーモンド、くるみ、カシューナッツ)など

 

何故その症状が起きるのか?

口腔アレルギー症候群(OAS)は花粉にアレルギーを持つ人が、特定の果物、野菜、ナッツまたは豆類を摂取したときに発症する可能性があります。その症状 は、特定の食物に含まれるタンパク質と類似構造を持つタンパク質が花粉に含まれることにより、生じます。これは交差反応と呼ばれています。口腔アレルギー 症候群(OAS)は、独立した食物アレルギーではなく、花粉と特定の果物や野菜との間の交差反応に相当します。その発現は通常、生の果物および野菜を摂取 した場合に限られます。

 

口腔アレルギー症候群に関する概要

口腔アレルギー症候群(OAS)は花粉症患者に多く見られます。OASは通常、口腔周辺の腫脹、発赤、痒みを特徴とする一時的かつ比較的軽い症状です。また、眼に影響が及ぶこともあります。

 

喘 息 

症状:咳、息切れ喘鳴および笛声喘鳴

一般的な原因アレルゲン:花粉(例:樹木、雑草およびイネ科植物)、イエダニ、ゴキブリ、ペット(例:ネコ、イヌ)、その他の動物(例:ウマおよび鳥類)、食品など

 

何故その症状が起きるのか?

喘息は、アレルゲンへの暴露、運動、冷気、乾燥した空気、気道の感染症などに関連して症状がおきます。また、強い香りやタバコの煙といった刺激物が喘息の症状を誘発する可能性もあります。

 

喘息に関する概要

喘息は、絶え間ない喘鳴と定義され、多くは、笛声喘鳴、息切れ、咳を伴い、特に夜間と朝に顕著です。喘息は幼児期に最も良く見られる慢性疾患で、アレルギーによって引き起こされることがよくあります。

 

アナフィラキシー反応 

症状:軽い症状には以下が含まれます。

蕁麻疹、口の周りの刺痛および痒み、眼や口の周りの腫脹

重篤な症状には以下が含まれます。

特に足裏、手の平または頭皮の痒み、口内の刺痛、口や喉の腫脹、低血圧、腹痛、吐き気および嘔吐、息切れ、喘息症状 、全般的な健康状態の悪化など

 

ア ナフィラキシーは、身体の様々な臓器に影響を与え、一度の発作で影響を受ける臓器は単一であることもありますし、同時に複数の臓器に及ぶこともあります。 当初現れる症状が軽いものだったとしても、それが急速に生死に関わる状態に発展する恐れもありますので、迅速な処置がとても重要です。患者が意識を失った 場合、事態は急を要します。

一般的な原因アレルゲン:ピーナッツ、木の実(例:へーゼルナッツ、ブラジルナッツ、クルミ、カシューナッツ)、魚、大豆、シーフード、牛乳、卵、種子類、果物、医薬品、ハチ毒など

地域的な食習慣にもよりますが、上記以外の食物でも激しい反応を引き起こすことがあります。

 

アナフィラキシーに関する概要   

アナフィラキシー反応はアナフィラキシー・ショックとも呼ばれ、急性の生死に関わるアレルギー反応です。この反応は通常、5~15分以内と短時間で発症し、緊急処置を必要とします。

食物に関連したアナフィラキシーは、アレルギーを持つ食物の摂取と運動の組み合わせによって引き起こされる可能性があります。

 

知 っ て 役 立 つ 花 粉 症 治 療

一年を通して、季節によって異なる体の不調に悩まされることは少なくありません。

花粉症は、春先の花粉が多くなる時期に決まって症状が現れるので、日本では春の代表的な病気と言えます。命に関わることはありませんが、誰にでもかかる恐れがあるので、すでにかかってしまった人もそうでない人も、正しく、最新の知識を取り入れて、より良い対処法・予防法を身につけて、今後に役立てましょう。

 

一般的に花粉症は、2月から5月の3ヶ月程度の期間に発症する「短期的な病気」と思われていることが多いようです。しかし、例えば5歳で発症して60年間花 粉症が治らない場合、症状がある期間は15年分(3ヶ月×60年=180ヶ月)にも相当します。また、花粉症の人は、原因となる花粉の飛散量が多いと症状 が出ますので、例えば一年を通してスギ花粉が多く飛散していた場合、その人は一年中症状が出てしまいます。

 

つまり、花粉症は短期的ではなく、「長期的な慢性疾患」と考えることもできるのです。

実は、花粉症は一般的に広く認識されている以上に複雑な病気です。

その病態は、患者さん一人ひとりの体質や生活環境などが細かく絡み合っているので、その人の状況に適した治療法を探すことはそう簡単ではありません。

しかし、「治らない病気」と決めつけては、この先ずっと花粉の季節を思うだけで憂鬱です。花粉症は、抗原となる花粉に暴露されている限り、無治療のまま完治することはまれですが、一方で研究が進むにつれ、より効果的な薬や治療法が増えているのも事実です。

ですから、「もう何年も花粉症だから」とあきらめてしまわずに、正しい知識や最新の情報をもとに専門家と一緒に考えていきましょう。

 

治療の際に重要なのは、検査などを通して一人ひとりに起こる症状を科学的に正しく突きとめることと、患者さん自身が花粉症をどうコントロールしたいのか、ということを明確にすることです。

例えば、今は仕事が忙しいので一時的に症状を抑えられればいいのか、それとも腰を据えて完全に完治したいのか、どんな仕事や生活スタイルに合わせるのか等々、患者さんの置かれた状況や目的によって、対処法やゴールも変わってきます。

 

アレルギーの中に、花粉症は位置づけられます。

 

免疫では、細菌やウイルスなどの抗原を体の外に追い出すために、免疫が働きます。抗原である花粉症を体の外に追い出すために、免疫が働きます。つまり、どちらも異物を体の外におい出すための防御システムです。日本では花粉症が大問題となっています。外国でも花粉症は存在しますが、日本のようなスギによる花粉ではありません。

寒い冬から春になり、段々と暖かい季節になると杉の花粉が飛散し始めます。

「この時期になるとつらい」と思う人は多いのではないでしょうか。日本人の4人に一人は花粉症だと言われています。

 

実は花粉症の完治はとても難しいのです。これは、花粉症は人が生まれながらに持っている「免疫」の働きによって起こるからです。

 

 

花粉症は花粉に対するアレルギーの反応です。

このアレルギー反応は免疫によって起こります。

 

根本治療の難しい花粉症

「免疫」は外敵から身を守るために必要不可欠なものです。この免疫機能があるおかげで人は簡単に病気にならないようになっています。

病気を発症してしまうと免疫は病原菌を退治しようとします。そのときに免疫は「抗体」を作り病原菌を破壊します。

 

 

一度病気にかかり抗体を作ると、次に同じ病原菌が侵入してきてもすぐに対処できるようになるのです。これが、一度病気にかかると同じ病気に罹りにくい理由です。

さらに「免疫」は、敵の情報を半永久的に記憶します。そのため、子供の頃に病気にかかったり、ワクチンを接種したりすると、その病気にかかることなく健康的に過ごすことができる、あるいは病気を発症したとしても軽くてすむようにできるのです。

花粉が大量に体内に入り込むと花粉に対する抗体が作られます。これが花粉症の原因です。

半永久的に免疫の情報を記憶する免疫系だからこそ、根治が難しくなります。つまり、花粉に対する免疫情報をしっかり記憶しているということが言えるからです。

 

 

あなたの花粉症の原因はスギ花粉だけですか?

スギ花粉症の方の多くは、他の花粉にもアレルギーを持っている可能性があります。

 

皮膚疾患と花粉が関係あることをご存知ですか?

アトピー性皮膚炎の悪化や蕁麻疹、皮膚の過敏症は花粉のアレルギーで起こることがあります。

1年を通して、季節によって異なる体の不調に悩まされることは少なくありません。

花 粉症は、春先の花粉が多く飛散する時期に決まって症状が現れるので、日本では春の代表的な病気と言われています。命にかかわることはありませんが、誰にで もかかる恐れがあるので、すでにかかってしまった人もそうでない人も、正しく最新の知識を取り入れてより良い対処法・予防法を身につけて、今後に役立てま しょう。

 

「花粉症」は慢性疾患なの?

一般的に花粉症は、2月から5月の3ヶ月程度の期間に発症する短期的な病気と思われていることが多いようです。しかし、例えば5歳で発症して60年間花粉症 が治らない場合、症状がある期間3ヶ月間×60年=180ヶ月となり、単純に計算すると15年分に相当します。また、花粉症の人は原因となる花粉の飛散量 が多いと症状が出ますので、一年を通してスギ花粉が多く飛散していた場合、一年中症状が出てしまうという人は少なくありません。

つまり、花粉症は短期的ではなく、長期的な慢性疾患と考えることもできるのです。

 

自分の花粉症の状態を知ることが大切です。

実は花粉症は、一般的に広く認識されている以上に複雑な病気です。

その病態は、患者さん一人ひとりの体質や生活環境などが細かく絡み合っているので、その人の状況に適した治療法を探すことはそう簡単ではありません。しかし、「治らない病気」と決めつけてしまっては、この先ずっと花粉の季節を思うだけで憂鬱です。

花粉症は、無治療のまま完治するのは希ですが、研究が進むにつれ、より良い効果的な薬や治療法が増えていることも事実です。

ですから、「もう何年も花粉症だから…」とあきらめてしまわずに、正しい知識や最新の情報をもとに専門家と一緒に考えていきましょう。

治療の際に重要なのは、検査などを通して一人ひとりに起こる症状を科学的に正しく突きとめることと、患者さん自身が花粉症をどうコントロールしたいか、ということを明確にすることです。

例えば、今は仕事が忙しいので一時的に症状が抑えられればいいのか、それとも腰を据えて完全に治したいのか、どんな仕事や生活スタイルに合わせるのかなど、置かれた状況や目的によってゴールも変わってきます。

 

【花粉症とは】

 

花粉症とは、主に裸子植物の花のおしべにできる花粉が風に乗って鼻や目に入りアレルギー症状を起こす病気です。大きく分けて、樹木の花粉と草木の花粉があり、開花期になると花粉症の患者さんは、特定の花粉に反応してくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、流涙などの症状が出ます。

日本に多いスギ花粉症は、東北よりにしに多くみられ、毎年2月~3月の初め頃から症状が現われ、4月の終わり頃まで続きます。北海道ではイネ科の植物による花粉症が多くみられ、多くの患者さんがこの病気で悩んでいます。

 

原因

花粉症の原因として、スギ花粉がよく知られていますが、他にもカモガヤ、チモシーなどのイネ科ブタクサ、ヨモギなどのキク科、カナムグラ(クワ科)などの草の花粉のほか、スギと同類のヒノキ、ハンノキ、マツなどの樹木花粉による花粉症があります。ある地域に特有のヤシャブシ(本州)、カンバ(北海道)といった植物の花粉による花粉症もあります。

また、果実や観賞用の花の栽培に従事する人たちがかかる花粉症の原因植物として林檎、梨、桃、苺、薔薇、秋桜、菊、蒲萄などが知られています。

いずれの花粉も非常に軽く風に乗って受粉できるようになっているため、多少の風が吹くだけで空中に大量に飛ぶという性質があります。

花粉の飛散期はそれぞれの植物の種類によって異なるので、一年の中である季節だけに発症するのであれば、その季節だけに飛散する花粉が原因と考えられます。

 

このような病気はアレルギー反応(免疫のしくみとはたらきの「アレルギー反応」)によって起こります。

 

花粉症のしくみ

 

花粉症は、吸い込んだ息と一緒に気管内に入ってきた花粉成分が鼻の粘膜に浸透し、体がそれを異物と認識し、「抗原」である花粉成分に特有の「IgE抗体」が体内で作られることから始まります。

人の体には、異物が侵入したときにそれを排除するための「抗体」と作る働きがあります。例えば異物である細菌が侵入してくると、体はそれを異物として認識し、その細菌成分である「抗原」に特有な「抗体」が作られ、細菌を体内から排除しようとするのです。この機能を「免疫反応」といいます。

「抗原」に対して作られる「抗体」にはいくつか種類があり、IgM抗体、IgG抗体、IgE抗体などがありますが、アレルギーに関係するのはIgE抗体です。

通常であればこの免疫反応は適正な範囲でコントロールされているのですが、その免疫機能が過剰に働いてしまう場合に起こるのがアレルギー反応です。

まとめますと、花粉症のしくみは、ある花粉が大量に鼻や目に入ると体内で免疫反応が起こり、花粉という異物(抗原)に対して結合するIgE抗体というものが増え、免疫的に記憶されます。つぎに目や鼻に入った花粉抗原は、それらの粘膜で抗体と反応し、その情報を受けて、粘膜にある肥満細胞と呼ばれる細胞から神経や血管を刺激するヒスタミンなどの刺激物質が放出され、かゆみや鼻汁の分泌などの症状が起こるのです。

スギ花粉症の患者さんが昭和50年を境として急激に増えたことに加え、自動車の排ガス、食生活の変化などの影響によりIgE抗体が作られやすい環境になったためと思われます。

大量の花粉によって花粉に対する抗体が作られる。この抗体は白血球の一種である肥満細胞の上に並べられ花粉の侵入を待ちます。そして花粉が体内に侵入し、抗体と花粉が反応すると肥満細胞は「ヒスタミン」という化学物質」を放出します。

ヒスタミンの作用によって花粉症の症状である「くしゃみ、鼻水、目のかゆみ」が出てくるのです。

 

症状

 

花粉症の特徴は、鼻と目に症状が出ることです。鼻の症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりで、さらされる花粉の量(期間)が増えると喉にもかゆみや痛みなどの症状が出てきます。目の症状は、まぶたの粘膜のかゆみや流涙がみられます。アトピー性皮膚炎を伴う人は皮膚症状の悪化もみられます。

これらの症状は花粉の飛散の開始とともに現われます。なかでもスギ花粉症の場合は、春一番といわれる南風が吹き始めると同時にこれらの症状が急に現れます。

 

 

花粉症についてまとめながら、日常での注意点などをご紹介いたします

 

花粉症はどうして起こるの? <花粉症はどんな人がなるの?>

空中を飛んでいる花粉を吸い込んでも、花粉症になる人とならない人がいるのはなぜでしょう?花粉症は、体外から侵入する花粉に対して、体内で「IgE抗体」 がつくられるために引き起こされます。この「IgE抗体」を体内でつくることが出来るかどうかは、遺伝によって決まっています。ただ最近の花粉症患者の増加には、ディーゼル排出粒子や食生活の変化など、いろいろな環境の影響が「IgE抗体」の産生に影響していることも指摘されています。「免疫抑制遺伝子 (アレルギー抑制遺伝子)」と呼ばれる遺伝子があります。「IgE抗体」が作られるのを抑える働きがあると考えられています。ですから、この「免疫抑制遺 伝子」を持っていない人は、「IgE抗体」を作るのを抑えることが出来ません。花粉に接触するたびに「IgE抗体」が作られて、やがて花粉症が引き起こさ れてしまうのです。

このように体内で「IgE抗体」を作り出すのを抑制できない人が、いわゆる「アレルギー体質」の人で、花粉症になるのは、こうした「アレルギー体質」の人なのですが、「IgE抗体」を持っていても花粉症を発症する方は30~50%で、残りの方は発症しません。その理由はわかっていません。

 

<感作が成立すると、花粉症が発症する!>

花粉症になるのはアレルギー体質の人ですが、花粉に接触したらすぐに症状が現れるわけではありません。花粉に接触するたびに体内に「IgE抗体」が蓄積されて、ある水準に達して始めて発症の準備がととのった状態になるのです。これを「感作が成立した」といい、こうした人が花粉に接触するとくしゃみ・鼻水などの花粉症の症状が、はじめて現れやすくなります。

 

人間の体には、体内に侵入してくる異物を排除しようとする仕組みがあります。体内に侵入した異物(抗原)に対抗する物質(抗体)を作り出す働きがあるのです。抗体が一定の量に達すると、ふたたび同じ抗原が体内に入ってきても、体内に作り出された抗体がその抗原に結びついて反応をします。この反応を「抗原抗 体反応」と言いますが、これが体に都合良く働く場合は、その仕組みを「免疫」と呼び、また、体に都合悪く働く場合は「アレルギー」と呼びます。「アレルギー」も「免疫」も、実は反応の仕組みはまったく同じなのです。

 

「抗原抗体反応」を担う抗体とは「免疫グロブリン」というタンパク質で、その種類は5種類があるのですが、花粉症に深くかかわっている抗体が、前述の「IgE抗体」です。

この「IgE抗体」が体内で作られるプロセスを説明しましょう。まず鼻や目などの粘膜に花粉が取り付くと、抗原のたんぱく質が、粘液に溶けだします。この溶けだした抗原がマクロファージという細胞に取り込まれて異物と認識されます。この情報がヘルパーTリンパ球を介して、Bリンパ球に伝えられるとリンパ球が 花粉症抗原に対抗する「IgE抗体」を作り出します。

このようにして作り出された「IgE抗体」ですが、「肥満細胞」と呼ばれる特殊な細胞と結合しやすい性質をもっていて、花粉と接触するたびに作り出される「IgE抗体」は、こうして体内に蓄積されてゆくのです。

「IgE抗体」が「肥満細胞」の表面に次々と結合して、あるレベルに達した段階を「感作が成立した」と呼び、アレルギー反応の準備が出来上がった状態となります。 こうした状態のところに再び同じ花粉の抗原が侵入すると、「肥満細胞」に結合した「IgE抗体」が抗原をキャッチして結合します。この反応を「抗原抗体反応」と呼びますが、この反応が刺激となって「肥満細胞」が活性化され、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるのです。そして、この放出された化学伝達物質が実は花粉症の症状を引き起こすのです。

 

《花粉症対策 2》 花粉症ってなに?

 

<花粉症は病気?>

花粉症は、花粉によって引き起こされるアレルギー性の病気です。ですから、花粉症はアレルギー体質の人に生じるのですが、最近の花粉症の増加は、遺伝的なものよりも生まれてからの環境の影響が、花粉症の発症に大きな影響を与えているのではないかと考えられています。

 

花粉症の症状は、主に鼻と目に現れます。アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などがそれですが、このような症状を引き起こすものは、花粉だけに限りません。例えばハウスダストのようなものでもアレルギー症状はおきます。もし、症状が春先などに起きるといった季節性を持つものなら、花粉症の疑いがありま す。

 

花粉症の症状は、大きなもので4つあります。

「く しゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ」がそれです。これらの症状は「鼻風邪」に似ていますが、「目のかゆみ」は、鼻風邪にはありませんから、症状に「目のかゆみ」があるようでしたら、花粉症の可能性が高いといえます。その他にも、鼻水がサラサラしている。くしゃみが連続して続けざまに出る。などが花粉症の症状の特長です。

花粉症にかかると、鼻水や鼻づまりの症状がひどくて、口で呼吸をするために、のどにかゆみを感じたり、気管に花粉が入り込んで咳が出たりすることもありま す。また、こうした花粉による直接的な症状に加えて、「頭が重い、だるい、ボーッとする、眠れない」などの二次的な全身症状も起こってくる場合があります。

 

<花粉症を引き起こすもの?>

日本人の10人に1.5人は花粉症といわれています。この10人に1.5人というのは花粉症の症状がある人の割合で、花粉症の原因となる花粉に対する「IgE抗体」(後述)を保有している人(感作といいます)は数倍にもなります。

そして、これらの花粉症患者のうちの約8割が、スギ花粉による花粉症だといわれています。このスギ花粉症は、実は日本に特有の病気なのです。例えば、アメリカでは、花粉症患者は「ブタクサ花粉症」であることが圧倒的に多く、国土のほとんどがカバノキで覆われているスウェーデンでは「カバノキ花粉症」が花粉症 患者の大半を占めていて、これらの国ではスギ花粉症の患者はほとんど見られないのです。こうした現象は、それぞれの地域に生育する植物の種類によって引き起こされるのです。

日本にスギ花粉症が発見されたのは昭和38年のことで、その後スギ花粉症の患者さんは増える一方です。これは、戦後、山村の復興事業として始められたスギの大量植林が原因だといわれています。さらに、こうして植林されたスギも、その後の経済変動などの要因で需要が激減したために、伐採されずに放置されることが多く、さらに将来的にも、花粉を大量につける樹齢のスギが放置され続ける公算が強いため、まだしばらくはスギ花粉の大量飛散が続くと考えられています。

また、こうして飛散する大量のスギ花粉は、風によって数十キロから100Km以上も運ばれます。スギ林のない都市部でも花粉症にかかる人がいるのはそのためです。また都市部の大気汚染が粘膜の過敏性を高めてしまう、といった花粉症を誘発しやすい環境であることも見逃せません。その他にもコンクリートやアス ファルトで地表が覆われているために、花粉がいつまでも空中に舞いあげられる。機密性の高い住宅で発生しやすいダニや新建材に含まれる化学物質によるアレルギーなどが、花粉症の誘因になっているという説もあります。

 

<花粉症にどう対応する?>

花粉症は、アレルギー体質の人がかかるのですが、そういう人が花粉に触れてすぐに発病するわけではありません。繰り返し花粉に触れ、特定の花粉に対してアレルギーを起こす抗体がつくられて、それがあるレベル以上になると症状が起きる準備が整った状態になります。この状態を「感作の成立」といいますが、この感 作の成立に到るまでは、ある程度の年月が必要です。

発症してしまった人でも、花粉への接触を出来る限り少なくすることで、症状を軽減することが出来ます。そのためにも花粉飛散の状況をよく把握しておくことが大切なのです。

 

例えば、猛暑の翌年は、スギ花粉の飛散量は多くなるといわれています。飛散が始まる時期も暖冬では早まりますし、1日の平均気温が7℃を超えて、最高気温が 10℃以上になると花粉が飛散し始めるというおおよその目安もあります。こうした知識もまた、花粉飛散の状況を把握するうえで役に立ちます。

 

残念ながら、花粉症の特効薬はまだありません。けれども、その症状を防ぐ・軽減することは出来ます。抗アレルギー薬による予防的治療で、花粉症の症状を出にくくすることも可能ですし、それで防ぎきれない症状も、さまざまな対処薬を使うことで軽減することができるのです。

こうした治療的な措置に加えて、花粉との接触を避けるセルフケアもまた大切です。花粉の飛散量が多い日は外出を控える。また外出時もマスクや眼鏡を着用して花粉をシャットアウトすることも効果的です。室内に花粉を持ち込まない工夫も必要でしょう。こうした様々な対処・工夫を積極的に重ねることで、花粉症の シーズンを比較的快適に過ごすことも可能になるのです。

 

 

日常生活での注意

 

花粉にさらされないようにすることは症状が出るのを予防するために最も重要なことです。

 

そのためには花粉情報に注意し、飛散の多い日の外出を避けるか、あるいは外出時にガーゼマスク、帽子、メガネを付けるようにします。

 

 

 

帰宅時にはコート、帽子などを外で叩いて花粉を落としてから部屋に入ります。

 

 

 

また部屋の中に花粉が入ったり、浮遊したりしないよう窓を閉めます。布団や洗濯物を外に干すのをやめます。

 

 

 

部屋は加湿して、床はぬれ雑巾でよく清掃します。

 

 

 

 

 

 

〈まとめ〉

花 粉 症 は

アレルギー性鼻炎(鼻過敏症/血管運動性鼻炎など)、アレルギー性結膜炎(アレルギー性鼻結膜炎など)、ぜんそく(気管支喘息)などがその代表です。花粉 (抗原)を吸入しているうちに、これに対する抗体が体内で産生され、抗原が体内に入ると抗原抗体反応が起こって症状が出現します。

 

風媒花(風に乗って花粉を飛ばす花)の花粉が原因で起こるアレルギー性の病気を総称して花粉症といいます。

 

原因となる植物はその土地の植生によって異なり、日本ではスギ花粉症が多く、アメリカではブタクサ、イギリスではイネ科の花粉症が多いなどの特徴があります。

花粉症は、原因植物の開花時期に一致した季節性をもって症状が出ます。

スギは2~4月、イネ科のカモガヤ、オオアワガエリ、スズメノテッポウなどは5~6月、ブタクサは8~9月、ヨモギは9~10月に症状が出現します。職業に関係した苺、林檎、桃などの果物の花粉症も報告されています。

 

花粉症の歴史

欧米では古くから花粉症の存在が知られていましたが、我が国には花粉症という病気は存在しないと少し前までは思われていました。スギ花粉の存在が初めて報告されたのは1964年です。その後の35年ほどの短期間のうちにスギ花粉症は爆発的に増加し、現在では国民の15~20%が羅漢していると言われており、 国民病と言っても過言ではない状況になっています。また、いつ花粉症になっても不思議ではない体質のできあがったスギ花粉症予備軍も人口の30%~40% にのぼるだろうと推測されており、スギ花粉症は今後も増え続けるだろうと考えられます。

 

植物の花粉が原因となって起こるアレルギー疾患、いわゆる花粉アレルギーで、以前は枯草熱(hay fever)といわれ、欧米で、サイロに牧草を入れるときに鼻粘膜のかゆみと痛み、くしゃみ、鼻づまり、鼻汁、涙などの発作を起こすものをいった。歴史的には古代ローマのガレノスが同様の記載をしている。19世紀末にこれらの症状が花粉によって起こることが証明され、花粉症と呼ばれるようになった。

 

わが国の花粉症の歴史

花粉症記念日ってご存知でしょうか? 3月7日は花粉症記念日です。

くしゃみや鼻水、目の痒みなどの症状に毎年悩む方の中には、そんなこと記念日にしないでほしいと思われるかもしれませんが、この記念日、実は気象庁が花粉の飛散状況を調べ始めた最初の日だということです。

それまでは、花粉の飛散状況などまったく調べられておらず、調査を開始した日が3月7日であったことから、この日を花粉症記念日と定めました。
症状改善のために、国も積極的に動き始めた記念日ということになるでしょうか。

そもそも花粉症の始まりは、いつからということになるのでしょうか。
実は、紀元前500年頃にヒポクラテスによって書かれた本の中に、それらしき風土病についての記述があるそうです。 また、紀元前130年~200年頃、ローマ帝国時代の医師ガレヌスも花粉症らしき疾患について、述べています。
その他にも、紀元前100年頃の中国や西暦1000年頃のアラビアなどでも、それらしい疾患についての記録があるとのことで、かなり古い時代からあったのではないかと考えられているようです。

日本では、日本では花粉症に関する詳細な研究がなされたのは1960年に荒木英斉氏によるブタクサ花粉による花粉症の1例を報告したのが初めてで、この疾患 が知られるきっかけとなったと言われています。それまで日本では花粉症は存在しないと考えられていたそうですから、この報告がなされた日が、本当の意味での日本での花粉症記念日かもしれません。

堀口申作・斉藤洋三先生が1963年に学会でスギ花粉症について発表、1964年にはスギ花粉症、牧草花粉症などが報告され、多くの花粉症が知られるようになり、以来現在までに50種類以上のアレルゲンとなる花粉が発見されてきました。

近年の花粉症人口の増加には、都市化、人工造林、生活スタイルなどが原因のひとつであると考えられています。 今や国民病と言っても過言ではない花粉症ですが、いまだ根本的な治癒にいたる治療方法は見つかっていません。 将来的に研究がすすみ、効果的な治療法が見つかることに期待したいです。

 

1960、1961年の2年にわたり荒木英斉先生は、東京地区の空中花粉の季節的な変動を調べ、つぎにヒトの身体への感作程度をみるため花粉抽出液による皮内反応を 施行し、ブタクサ花粉による花粉症の1例を報告しました。以後、欧米と異なり花粉症(欧米では枯草熱とよばれています)の概念のなかったわが国の空中花粉と花粉症に関する研究が急速に進歩しました。

1964年(学会発表は1963年です)、堀口申作・斉藤洋三先生により日光市のスギ花粉症が報告されて以来、1970年代にかけて多く種類の花粉症症例が相次いで報告されました。

わが国の空中花粉による花粉症は昭和30~40年代の関東地方のブタクサ花粉症が代表的でしたが、除草対策や宅地造成とともにスギ花粉症に代わるように減少していきました。昭和50~60年代の全国の疫学調査では頻度が高い順に、2~4月に増悪するスギ花粉症、初夏のイネ科花粉症、秋のヨモギ花粉症、ブタクサ花粉症、カナムグラ花粉は各地で捕集されていますが、ごくわずかであり明らかな花粉症発症は非常に少ないようです。スギ花粉症の頻度が最も多く、現在でも次第に増加しています。北海道のカバノキ科シラカンバ属、近畿地方のカバノキ科ハンノキ属による花粉症のほか、岡山県におけるヒノキ科ネズ属、長崎県のイラクサ科カラムシによる感作や花粉症発症など、スギ・ヒノキ科以外の花粉による地域性の強い花粉症も再び注目されはじめています。

 

 

鼻づまりの時の鼻はどうなっているのでしょうか?

粉が鼻の粘膜に付着すると、粘膜にある肥満細胞という細胞から“ヒスタミン”や“ロイコトリエン”という化学物質が放出されます。

 

鼻呼吸の大切さ 

本来、鼻は呼吸する空気の中にいる異物を捕まえ、空気を温め、空気の加湿を行う機能を任されています。つまり、肺に必要な空気を清浄化する重要な役目です。 鼻の粘膜の表面には線毛があり、花粉が鼻孔から入ると表面の粘液に花粉をくっつけます。「鼻づまり」があると、これらの役目が果たせなくなり、「口呼吸」 が行われます。

口 呼吸を行うことで、口の中が乾燥し「口内炎」や「虫歯」、「口臭」などの原因になります。また、呼吸による顔の筋肉の使い方が本来と異なり、「顔のたる み」や「いびき」 の原因になると考えられています。本来は行うべきではない「口呼吸」は、思ったよりも危険かもしれません。

 

呼吸は、風邪を引きやすい 

鼻呼吸の方は、空気は鼻の粘膜を通って水分を吸収し湿度が高い状態で気管や肺に入っていきます。口呼吸の方は乾燥した空気が直接気管に送られるために、喉や肺を痛め風邪をひきやすくなります。

アレルギーを起こしやすい 

鼻呼吸の方は呼吸の際、鼻毛や鼻の中のフィルターを通って細菌を減らすことができます。口呼吸の方は直接喉や気管に細菌が入り込むため慢性的なアレルギー体質になりやすいのです。

呼吸と鼻呼吸はどちらがいい? 鼻の穴が2つある理由は?

人間の体には空気が必要です。体に空気を取り込むのが呼吸ですが鼻でする鼻呼吸と口でする口呼吸。どちらも空気を取り込めますよね?これはどちらの呼吸法で行うのが正しいのでしょうか?

呼吸と鼻呼吸はどちらでする? 

人間の体は本来呼吸をする方法が決まっています。私達は鼻から空気を吸い込み鼻から空気を出すという鼻呼吸をするように作られているのです。鼻には吸い込んだ空気の中に紛れ込んでいる体にとって有害な物質を取り除いてろ過する機能があります。そして、空気を適度な湿度と温度にして体内に取り込んでいます。こうすることで、有害物質が体の中に入らないよう防御しているんですね。そしてもう一つ!脳は暑さに弱いです。ですから、なる べく「脳を冷ます」という作業が必要になります。鼻の中には毛細血管がたくさん通っているのですね。これは、鼻から入ってきた温度の低い空気によって血液 を冷やして脳に送る血の温度を冷ましているそうです! 車で言うとラジエーターのような役割も鼻は果たしているということです。

どうして口呼吸じゃいけないの?  

なぜ口で呼吸しちゃいけないのでしょう?これにもちゃんと訳があるんです。

口で呼吸をすると、鼻のようなろ過装置がないので、有害物質を簡単に体内に入れてしまいます。そして、湿度や温度の調節もできないのでのどが乾燥しますし、乾燥した空気を肺に送ることになってしまいます。そして、鼻腔の中にも汚れがたまりウイルスが増殖しやすくなってしまいます。口の中も乾燥してしまうので唾液による殺菌作用がなくなって口の中にも細菌が繁殖しやすい環境になり口臭の原因にもなるのです。

 

少しまとめてみましょう。

  • 有害物質を体内に入れやすい
  • 乾燥した空気により、体内の機能に損傷を与える
  • 鼻孔にウイルスが繁殖する
  • 口臭が強くなる

 

このようなことから、免疫が低下して病気にかかりやすくなりますし、アレルギーになりやすいという報告もあります。 口で息をするか鼻で息をするかの違いなのですが、体にとってはかなり重大な違いがあります。

鼻の穴が2つあるのは・・・鼻も口のように空気を吸い込む場所は1つでもいいのに、どうして2つあるのでしょう?

 

「人体のパーツは左右対称だから鼻の穴も2つになっている」という説がありますが、それなら口みたいに真ん中に1つでもよさそうなものです。

 

じつは、鼻の穴が2つあるのにもちゃんと理由があるのです!そ れは、鼻の穴が1つだと、鼻から吸い込んだ空気が乱流を起こして、肺への輸送がスムーズにいかなくなるのです。また、空気を吸い込むためのエネルギーも余 分に必要になるので、常に深呼吸をするように呼吸しなければならなくなります。呼吸だけで体力が消耗してしまいますし嗅細胞も匂いのもとである嗅素を キャッチできなくなり匂いが識別できないという理由です。

 

エコロジーなものが人気の昨今、私達は普段から省エネを大切にしていますが、鼻は穴が2つありますが、基本的な呼吸はどちらか片方だけを使っているそうです。これは琉球大学で行われた実験で明らかになったことですが、鼻は2~3時間おきに使用する側を変えて呼吸をしているそうです。

                            

なぜこんな呼吸方法をとっている理由は2つあります。

 1. エネルギーの節約。

 2. 有害物質の侵入を最小限にするため。

このような理由から、両方使わず入れ替えて呼吸をしているそうです。

 

花粉症の初期症状では、風邪の人は黄色の鼻水が認められる場合が多いですが、花粉症では無色透明な鼻水が1、2週間続きます。また、目の痒みがある場合は花 粉症と判断できますし、発熱がある場合は、花粉症ではなくて、まず風邪が疑われます。いずれにしても、自己判断せずに、病院で受診して、花粉が飛散している時期は、特に適切な診断をしてもらうことが大切です。

 

 

 

 

 

 

【PM2.5の基本と黄砂】について 

PM2.5の大きさはどれくらいなのか?

PM2.5は微粒子物質と呼ばれていて、空気中を浮遊している粒子状の物質で粒子径が2.5μm以下の細かい粒子です。PM2.5より大きいPM10(浮遊粒子状物 質)や超微粒子のPM0.1等が有ります。PM2.5の大きさは、髪の毛1本の太さからすると1/30位の小さな物質です。スギ花粉は30~40μmでス ギ花粉と比べてもかなり小さな物質です。PM2.5の形や径は含まれる物質によって変化していきます。

 

PM2.5は如何にして出来るのか?

日常生活(お料理・お風呂・ストーブを点ける・喫煙等)からも出ますし、工場から出る煤煙・粉塵や車、船、飛行機等の燃料消費からも出ます。特に、ディーゼル車から出る排ガスに含まれているPM2.5は身体への影響が大きいのではないかとの説も有ります。

 

PM2.5の成分は?

燃焼から出る炭素に含まれるものや金属成分は直接に粒子となって空気中に飛び出します。硫酸・硝酸イオン類やその他の物質の仲間でガス状物質となって飛び出し、空気中で化学変化により粒子状になるそうです。

 

PM2.5がニュースになるのは?

PM2.5 は拡散しにくく、空気中で数週間浮遊する事が出来る(約1週間で地球を回る事が出来るそうです。)ことから高濃度汚染が越境大気汚染となって地球上に広 がって行く恐れが有ります。また、PM2.5が非常に細かい粒子なので、人間の自然呼吸から肺の奥まで入り込み粘膜に沈着することです。PM2.5の粒子には、人体に有害な成分が多くそれが吸着してしまいます。特に喘息など、呼吸器・循環器系の弱い方や子ども・老齢の方に影響が出やすくリスクが高くなるようです。

 

PM2.5を体内に入れると、悪いのはなぜ? 

大気汚染物質は沢山ありますが、PM2.5が話題になり注PM2.5は粒子状物質で非常に細かい粒子なので、長時間空気中を漂い高濃度汚染につながる事や、越境大気汚染の原因になっています。その事は、PM2.5の健康被害も世界的に広がり拡散されて行きます。

 

■細かい粒子のPM2.5は、普通の呼吸で目や鼻・喉・気管支・肺等の呼吸器や循環器系粘膜に沈着します。一部は、肺の奥深く肺胞までも届くようです。

 

* 目や鼻に沈着すると、アレルギー性鼻炎アレルギー性眼炎を悪化させます。

* 肺や気管支に沈着すると、PM2.5(ディーゼル排気粒子)が喘息気管支炎を悪化させます。

* 肺の奥深く肺胞までも届いたPM2.5(ディーゼル排気粒子)は、肺腫瘍に作用するようです。

* 血液の流れに乗って、血栓の形成に作用して不整脈や心機能にダメージを与えてしまいます。

* 自立神経への影響もうかがわせています。

* 硫化塩・硝酸イオン類は化学変化を起こして有害物質となり、肺がんの発癌リスクを高めます。

* PM2.5が皮膚に付着すると、肌荒れや湿疹が出る事も有ります。

 

病歴の中でも特に、易感染宿主、アレルギー性喘息、肺高血圧、虚血性心疾患の患者さんは、PM2.5に対する感受性が高くなるそうです。 「注意喚起の為の暫定的な指針」の数値が低くても体調に合わせた管理が大切になります。

 

日本では、春と秋に吹く大陸からの偏西風の時期にPM2.5に対する注意が必要です。

 

PM2.5から身を守る対策方法や基準値について!

PM2.5の影響を身体に受けないようにするには大気汚染PM2.5の基準値を知っておく事だと思いました。

 

PM2.5基準値は? 

法令に基づかない「注意喚起のための暫定的な指針」が環境省から出されています。

 

レベルⅠ…日平均値70μ/m3以下。 特に行動を制約する必要はないが、高感受性者は健康への影響が見られることがあるため、体調の変化に注意する事です。 

レベルⅡ…日平均値70μ/m3超過。 不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす。高感受性者においては、体調に応じて、より慎重な行動が望まれる、とされています。 

 

PM2.5の情報を手に入れるには? 

環境省のホームページ「超微粒子状物質(PM2.5)関する情報サイト」から

 

PM2.5の今日の濃度を知るには? 

環境省の大気汚染物質広域監視システム『そらまめ君』から、各自治体の情報サイトで公表されています。

 

 

自分ができるPM2.5対策方法!

 

《 屋内では 》 室内に入るときは、手洗い・うがい・目洗いをする。屋内では窓や扉をしめて隙間を防ぐ。寝室など長時間いるところには空気清浄機を設置する。

*空気清浄器は、メーカーや製品によって性能に差が有るので、製品表示の確認と販売店・メーカーへの確認をしておくと安心出来ます。

《 屋外では 》 汚染の激しい日には外出を避ける。洗車を控える。日傘の着用する。マスクを着用。

*PM2.5に通常マスクは製品ごとに性能の差が大きい。高性能防塵マスクフィルターは、高性能でも着用の仕方が正しくないと不十分になります。個人の顔に合ったマスクで空気が漏れないようにすることが大切になります。高性能マスクは、息苦しさを感じるので長時間の着用には適さないようです。

 

特に高感受性者(呼吸器系や循環器系に疾患の有る方や子ども、老齢の方)は、自分の体調に合わせた慎重な行動を取られることが大切です。

 

PM2.5の発生する原因は?

 PM2.5の発生は、自然事象による発生と人間社会の産業発展の過程で発生するものが有ります。

 ・自然現象で発生する原因  人間社会生活から発生する原因と問題点

 

 自然事象の中で発生するのは?

 土壌からの発生(土壌粒子)海水の蒸発による(海水粒子)火山の噴火による(火山岩・火山灰・噴火ガス等)野焼きの灰・煙などがあります。

              

人間社会生活から発生するのは? 

 ・日常家庭生活から出るもの。

 ・ごみの焼却や工場の生産活動から出る煤煙など。

 ・金属や石の加工から出る粉塵など。

 ・石油系工場や溶剤や塗料の使用時に発生する蒸発。

 ・自動車や船舶・飛行機から出す排ガス等があります。
人 間社会から発生するものは、一次生成粒子と二次生成粒子に分けられています。一次発生粒子はそのままの姿でPM2.5になって行きますが、二次発生粒子は ガス状物質が空気中で光やオゾンと化学反応を起こしてPM2.5になります。二次発生したPM2.5の中に含まれる物質には有害成分が多いです。

 

人間社会生活から発生する問題には?  

国によって違う生活様式からもPM2.5の発生につながっています。家庭での薪の使用や車の増加(規制の無い燃料)や工場の生産方法の格差などがあります。 先進国では、WHO指針値に近づける努力の為に基準値が決められていますが、途上国では基準値が先進国の2~3倍だったり、規制が無かったりしている所が有ります。PM2.5の特徴である、拡散しにくい事や空気中を数週間浮遊出来る事から高濃度PM2.5が越境大気汚染として日本を含む地球上を回っていることが大きな問題となっています。

 

 

ニュース 汚染物質「PM2.5」って何?

香取啓介  2014年3月15日14時52分

あたたかな春になると、外に出る機会も増えますね。でも、心配なニュースも聞こえてきます。大気を汚染する物質「PM(ピーエム)2.5」の濃度が上がり、 外出を控えるよう呼びかける都道府県もあるというのです。PM2.5とはどのようなもので、どう注意すればよいのでしょうか?

 

排ガス中のすす 中国で被害増

2 月26日、大阪市中心部のビル街はかすみ、うっすらともやがかかったようになった。PM2.5の影響だ。この日、外出を控えるよう呼びかけ「注意喚起」が 北陸や近畿地方を中心に10府県でされた。お隣の国、中国はもっと深刻だ。PM2.5が濃い霧のようになり、飛行機の離着陸ができず、高速道路も通行止めになることがある。PM2.5は空気中をただよう直径2.5マイクロメートル以下の粒子のこと。1マイクロメートルは1ミリの千分の1という大きさで、 PM2.5は花粉の10分の1以下というとても小さな粒だ。PMは英語のParticulate Matterの略で、「粒子状物質」を意味する。代表的な物質は、ディーゼル車や工場の排ガスに含まれる「すす」だ。中国では発電や暖房に使う燃料の多く を、すすが出やすい石炭に頼っている。車のガソリンに含まれる硫黄分も高く、排ガスのすすを増やす原因になっている。たばこや木材を燃やした煙、火山灰などにもPM2.5が含まれる。粒が小さいので、吸いこむと鼻やのどで止まらずに肺の奥にまで入りやすい。このため喘息や気管支炎を引き起こしたり、肺がんや不整脈の危険が高まったりすると言われている。空気中の濃度は季節ごとに変わる。日本列島では、上空の偏西風に乗って高気圧が大陸から移動してくる3~5月に濃度が上昇しやすい。春先は、中国やモンゴルの砂漠の砂が黄砂としてやってきて、この中にもPM2.5が含まれる。2月下旬に日本各地で濃度が上がったのは、中国から風に乗ってきたからだ。空気があまり動かない天気の状態だったため、都市部で出たPM2.5がその場にとどまりやすかったことも原因だと考えられている。PM2.5の研究や対策はまだ十分ではない。国は濃度予報をめざした研究や、どこからどれだけ排出されているかの調査を進めている。また、公害問題に長く取り組んできた日本の都市が、中国の都市と連携して共 同研究することにしている。

 

外出時はマスクで対策  - 対策はどうしたらよいのか-

国は昨年2月、PM2.5の量が1日平均で1立方メートルあたり70マイクログラムを超える恐れのある場合には「健康に影響が出る可能性が高くなる」という目安をまとめた。この値を超えそうになると都道府県から注意喚起が出る。多くの都道府県はホームページで発表する。「防災メール」など、登録しておけば知 らせてくれるサービスをしているところもある。

 

注意喚起が出たら、なるべく外出を控え、屋外での長時間の運動を減らす。部屋の中でも換気や窓の開け閉めに注意する。特にのどや肺、心臓などに病気がある人、子どもや高齢者は、より慎重にすることが大切だ。

 

それでも外出する場合はマスクをする。ドラッグストアなどで買える一般の不織布(ふしょくふ)のマスクで、ある程度おさえられる。鼻やあごなどのところにすき間があると、そこから入って来るので、サイズの合ったものを選ぼう。産業用防塵マスクは効果が高いが、息苦しい感じがするので子どもや長時間の使用には向いていない。

室内では空気清浄機で減らせる。大きさが0.1~0.5マイクロメートルの粒子が一番とりのぞきにくく、この大きさの粒子のとれ具合が性能の目安だ。

 

専門家は「一時的な濃度の上がり下がりをあまり気にすることはない」と言っている。それよりも、大気汚染の原因を減らし、長期的に濃度を下げていくことが大切だ。(香取啓介)

 

 小島 知子 熊本大学自然科学研究科 准教授 

第1章 PM(粒子状物質)とつきあう

 

PMはいつでも、どこにでも存在する 

今 年の1月末から5月半ばにかけて、「PM2.5」がしばしば新聞やテレビで取り上げられました。その際の報道から 「PM2.5は中国から飛んでくるもの」「夏になれば気にしなくてよいもの」 と思っている人も多いのではないでしょうか。実際には「PM2.5」は、どの季節にも、どこにでも、空気中にあるものなのです。戸外の大気にしろ、今居る 部屋の中の空気にしろ、目には見えないほどの小さな粒が無数に漂っています。これが「粒子状物質」、英語で言えば 「Particulate matter」 であり、英語の頭文字をとって短くPMと呼ばれます。「エアロゾル粒子」と呼ばれる場合もあります。 大きなものは重みですぐに落ちてしまいますので、ある程度長い時間空気中に漂っていられるのは、直径が0.1mm(100マイクロメートル)より小さいものです。

 

このように小さな粒子の一つ一つを肉眼で見分けることはできませんが、特に数多くの粒子が集まっている部分に光が当たると、その部分の輪郭が目に見えるようになります。いわゆる「煙」です。 つまり、「煙」の正体は無数に集まった粒子であり、「煙」を発生させる行為はすなわち多数の粒子を放出する行為なのです。「アロマセラピーでお香をたく」、「家族や友人とバーベキューを楽しむ」のような、日常何気なくやっていることも、自分を取り巻く空気中にPMを増やしています。

 

ただし、個人個人の活動で発生するPMの量は限られていますので、すぐにきれいな空気と混ざって薄まり、気にならなくなります。 問題になるのは、大勢の人が集まっている都市部や、大量の煙を排出する工場が多数あるような工業地帯です。目に見える煙としてではなく、ガスの形で出された硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)が、空気中の反応で粒子化したものも少なくありません。

 

人間の活動によるもの以外に、自然界の営みによるPMもあります。 強風で巻き上げられた土埃、海水のしぶきが蒸発してできた海塩粒子、火山が出す火山灰や火山ガスからの生成物、植物から出る花粉や胞子などがそうです。それぞれの地域にさまざまな種類のPM発生源があり、その地域での「通常のPM」の量が大体どれくらいなのかが決まります。そこに、突発的な事象(大火事や 火山噴火など)によるPMや、よそから運ばれてきたPMが付け加わって、見過ごせないほどの量になってしまうというのもありうることです。

 

サイズが問題? 

ある地点の空気中に漂うPMには、発生源も組成も異なる、さまざまなものが含まれていますが、それらを選り分けるのには時間と手間がかかります。 正確に区別するのは不可能といってもいいでしょう。 「どこから来たか」、「何でできているか」 を調べるのは難しくても、大きさの違いでふるい分けるのは割と簡単にできることです。 ですから、PMの中で「10マイクロメートルより小さいもの(SPM)」「2.5マイクロメートル以下のもの(PM2.5)」を分けて取り出し、その量を測ることで、大気質のよしあしを示す指標としています。 空気1立方メートルあたりに含まれるSPMやPM2.5の重さを、ミリグラム(1000分の1g)またはマイクログラム(100万分の1g)の単位で表します。 数値が低いほどPMが少ない、すなわちきれいな空気ということになります。

 

「大きさで分けるのが簡単だから」と書きましたが、空気中でのPMのふるまいを左右する最も重要な要素は大きさですから、このように分類するのは理にかなってもいます。大気質の観点で問題となるのは、PMが人の呼吸器内でどうふるまうかです。人は主に鼻から空気を取り入れますが、その先には咽頭・喉頭(いわゆる「のど」)、気管が続き、左右二手に分かれた後、さらに細かく枝分かれした気管支があります。 無数に分岐した気管支の末端が肺胞(肺のほとんどを占める部分)につながり、ここで酸素と二酸化炭素の交換が行われます。

 

鼻から吸い込まれた空気に混じっているPMで大きなものは、鼻毛にとらえられたり、のどの粘膜にくっ付いてしまったりして、それより奧に進むことができません。のどより先の気管に進入しうるPMの大きさが、おおむね10マイクロメートル以下とされています。気管や気管支は粘液に覆われて保護されており、気管に入ったPMの一部はこの粘液にからめ捕られたあと上部に送られて、口から排出されることもあります。しかし、気管支や肺の奥深くにまで入り込んでしまっ た、より小さな「PM2.5」は、この仕組みをもってしても排出が難しく、呼吸器内部に沈着して健康被害をもたらすことが懸念されているのです(図2

 

「PM2.5」 の中でも、特に小さな粒子やPMから溶け出した物質が血液に取り込まれて運ばれ、呼吸器以外の器官に影響を及ぼすことも考えられます。PMが小さければ小 さいほど人体への悪影響が大きくなるという見方もあり、最近の研究論文では、さらに小さい区分であるPM1やPM0.1も取り上げられています。

 

何が含まれているのか? 健康への影響は?

呼吸器に沈着した「PM2.5」が体内でどのような反応を引き起こすかは、やはり「何でできているか」ということが関係してきます。 前述のようにPMの組成は時と場所によって異なりますが、一般的に「PM2.5」に多く含まれるものとして、硫酸塩、硝酸塩、有機化合物、すす(ブラック カーボン)が挙げられます。 硫酸塩と硝酸塩は、それぞれガス状のSOxとNOxが空気中で粒子に変化したもので、大部分が粒径1マイクロメートル以下と、「PM2.5」の中でも特に小さい部類に入ります。 これらのもととなるガスの多くは、自動車の排気ガスや火力発電所、家庭用の暖房器具など、石炭やガソリンといった化石燃料の燃焼によるものです。

中国国内で発生する「PM2.5」の場合、不純物の多い石炭を使用しているため、硫酸塩に混じってヒ素や鉛など有害な元素が含まれるという問題もあります。 有機化合物やススもまた、化石燃料やバイオマスの不完全燃焼によって生じるものが多いようです。日本国内で一時期、ディーゼル車の排気によるPMが環境問題としてクローズアップされましたが、その主要な成分もさまざまな種類の有機化合物とススでした。「PM2.5」に含まれる発ガン性物質として話題になっ た多環芳香族炭化水素(PAH)も、有機化合物の一種です。 自動車の排気ガスやタバコの煙にも含まれる成分で、大陸起源の「PM2.5」に特有なものというわけではありません。

ある物質が人体に有害かどうか、どの程度危険なのかを調べるのには、いくつかの方法があります。 その一つは、特定地域の環境中の物質の量と、そこで疾病が発生したり死亡したりする頻度との間に相関があるかを統計学的に見るというやり方です。 また、ラットなどの実験動物に問題となる物質を投与して異変が生じるかを見る方法、培養した細胞や組織にその物質を加えて起きる反応を調べる方法も用いられます。


「PM2.5」やその抽出物を用いて行った数々の研究から、これらが呼吸器系の炎症をもたらす作用を持つこと、アレルギー性の呼吸器疾患や循環器系の疾患を引き起こしたり悪化させたりする可能性のあることが指摘されています。 環境基準や暫定的指針にある数値は、そのような研究に基づいて決められました。しかしながら、どういう地域や人々を対象とするか、何を使って実験し、どのように解析するかによって、研究結果には差があります。「大陸起源のものを含む日本のPM2.5についてはどうなのか」を確認するために、現在国内のさまざまな 機関で研究が進められているところです。

 

PM2.5と、どうつきあっていくか

 

「PM2.5」 に限らず、あらゆるPMは身体の中にたくさん入ってしまえば「有害」です。 有害なものは避けたいというのが人情ですが、空気中にPMの無いところなどありません。地球上に生きている限り、人はPMとつきあっていかなければならな いのです。 同じことは、太陽光に含まれる紫外線についてもいえます。紫外線を浴びると皮膚ガンのリスクが高まることはよく知られていますが、だからといって家の中に 閉じこもるわけにはいきませんね。日焼け止めや日傘を使い、皮膚に当たる紫外線量をなるべく減らしながら、紫外線とつきあって暮らしています。

 

PMの場合は、呼吸器に入ってしまう量をなるべく減らせばいいわけです。個人差や運動量にもよりますが、人は毎日、体積にして10~20立方メートルの空気を吸い込みます。空気1立方メートルあたりに含まれるPMの量が10マイクログラム増えれば、一日に吸い込まれるPMの量は100~200マイクログラム増えることになります。 これを重大ととらえるかどうかは人それぞれですが、PMがどの程度危険なのかまだ明確になっていない以上、できるだけ身体に入れない工夫をするのが無難といえるでしょう。「外出時にはマスクを着ける」「呼吸数を増やす激しい運動は控える」「窓は閉めて空気清浄機を使う」 といった対策が挙げられます。

多くの自治体では、1時間ごとに測定したSPM(浮遊粒子状物質)や「PM2.5」(微小粒子状物質)の濃度をホームページなどで公開しています。環境省の ウェブサイト「そらまめ君」(1)では、さまざまな地域のデータをまとめて見ることもできます。景色に霞みがかかって見えるようなときは、たいていPM濃度が上がっています。これらの情報をチェックして、自分の住む地域周辺のPM濃度を確認しましょう。また、「SPRINTARS」(2)や「CFORS」 (3)など、シミュレーションモデルによる濃度予測も公開されていますので、事前の準備に役立てることができます。SPRINTARSはNHKのデータ放送でも見られます。

 

冒頭で述べたように、PMは中国から飛んでくるものだけではありません。上に挙げたウェブサイトなどの情報は、自分の生活圏でのPM濃度がどれほどであるのか、普段から把握しておくのにも役立ちます。「どの濃度になれば対策すればいいのか」というのは難しい問題ですが、環境省の暫定的指針にある数値(日平均値70マイクログラム/立方メートル、1時間値85マイクログラム/立方メートル)は一つの目安となります。
ただし、これはあくまでも目安であって、この数値を超えたから病気になってしまうとか、まだ達していないから大丈夫とかいうことではありません。結局のところ、判断は各個人に委ねられます。 特に「PM2.5」に関しては、今後明らかになった知見から暫定的指針が見直される可能性もあります。 新しい情報に注意して、安全を心がけながらも神経質になり過ぎず、各自のライフスタイルに合わせて臨機応変に対応するのが、うまくつきあうコツといえるで しょう。

 

第2章 冬場が本番? 「PM2.5」再来!

 

PM2.5、黄砂、酸性雨 PM2.5」とスモッグとの関係

「PM2.5」 という言葉が、再びメディアをにぎわせています。中国の複数の都市で高濃度の「PM2.5」が観測されたというニュースが連日のように流れ、日本でも濃 度が1立方メートルあたり100マイクログラムを超えた地域がありました。 また、中国では濃いスモッグが発生しているという話も聞きます。

 

PM2.5」とスモッグはどう関係しているのでしょうか?

スモッグ(smog)とは、「smoke(煙)」 と 「fog(霧)」 を組み合わせた英語の造語です。もともと20世紀初頭に、ロンドンの大気汚染を指す言葉として使われ始めました。ロンドンは霧が名物ともいえる都市ですが、ただの霧であれば水蒸気が凝結して小さな水滴となったものにすぎませんから、人間に害を及ぼすことはなく、気温が上がれば蒸発してなくなります。しか し、石炭を燃やした煙が加わることで、煙に含まれていた、すすの粒子や二酸化硫黄(SO2、亜硫酸ガスともいう)が空気中の水滴に溶け込んで出来る硫酸塩粒子がPMとなり、長時間にわたって視界を遮る有害なスモッグとなったのです。

後に自動車が普及するようになると、すすはあまり含まず、霧とは関係しない新しいタイプのスモッグが出現しました。 自動車の排気ガスに含まれる気体成分(窒素酸化物:NOx、硫黄酸化物:SOx、揮発性有機化合物:VOC)が太陽光を受けて光化学反応を起こし、光化学 オキシダント(主にオゾン:O3)と同時にPMを生じる「光化学スモッグ」です。 中高年の世代では、スモッグと聞くと「光化学スモッグ」を思い出す人も少なくないでしょう。 1970年代には、日本でもしばしば 「光化学スモッグ」 が発生し、大きな問題となりました。

「石炭燃焼によるスモッグ」 も 「光化学スモッグ」 も、もともと気体であったものが粒子化したPM(二次粒子)を多く含みます。 このようなPMは粒子径が小さく、ほとんどが「PM2.5」の範ちゅうに入るため、スモッグが発生している時には「PM2.5」の濃度も高いのです。逆に 言えば 「多量に生成された「PM2.5」が空気中にあるために、光が散乱されて視界が悪いスモッグの状態になる」ということです。

※PM:Particle Matter(粒子状物質)を意味する。

PM2.5は、大きさ2.5マイクロメートル以下の浮遊状粒子。

 

なぜこの時期に問題になるのか?

今回の一連の「PM2.5」/スモッグ報道は、10月下旬に中国部(黒竜江省)で起こった事例から始まりました。この主な原因は、冬が近づいて気温が下がり、暖房のために石炭燃焼量が増加したことと見られています。 中国都市部では自動車の走行台が多く、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)やVOC(揮発性有機化合物)、それらの光化学反応によるO3(オゾン)や「PM2.5」の濃度が高いことが常々問題となっているのですが、そこに石炭燃焼によるススやSO2(二酸化硫黄)が加わり、極端なPM濃度上昇に至ったと考えられます。
 
光化学反応は日射の強いときに進みますので、「光化学スモッグ」が多く発生するのは初夏から晩夏にかけてです。 季節が秋から冬へ移ると光化学反応は弱まっていきますが、今回のケースでは、石炭燃焼によるPM発生の影響がそれ以上に重大だということでしょう。 石炭の使用規制やSO2(二酸化硫黄)排出の少ない燃焼施設への切り替えなど、中国国内で対策は進められているものの、問題解決にはまだまだほど遠いようです。
暖を取るための燃焼によって大気中の汚染物質が増えるという以外に、寒冷期の気象条件も、この時期でのスモッグの要因となっています。大気は地表面からの放射によって温められますから、通常、気温は地表面から上空に向かって高度とともに低下します。夏の間は地表付近の温度が特に高く、温まって軽くなった空気が上昇して対流が盛んに起こるため、汚染物質も広範囲に拡散して濃度の集中が起こりにくい状態です(図1左)。寒くなってくるとこの空気の動きは弱まり、汚染物質を含んだ空気が地表付近にとどまりやすい傾向へと変わってきます。
 
放射冷却が強い冬の日には、地表付近の冷え込みが著しく、その上にある空気の層よりも気温が低くなる「気温逆転現象」が起こることがあります。この現象は、 高気圧に覆われた時や温暖前線が近くにある時、上空に比較的温度の高い空気が流れ込んだ時にも見られます。気温が逆転した状態では、冷たく重い空気は対流することなく、地表付近に停滞します(図1右)。その中で汚染物質が放出されると、それが蓄積して高濃度となり、スモッグ発生という結果をもたらすのです。 周りを山に囲まれた盆地などでは、さらに汚染物質が集中しやすい地理的条件が加わります。

 

過去のスモッグや大気汚染の被害例

20 世紀初めから半ばにかけて、ヨーロッパや米国の大きな工業都市で、大規模なスモッグが発生して市民の生活に支障を来すという事件が何回か起こりました。いずれも石炭使用が増える寒い時期で、「気温逆転現象」があった時です。このころから「スモッグのせいで病気になったり悪くすれば死んだりする」ことが認識されるようになりました。そして1952年、大気汚染としては最悪の被害をもたらした「ロンドンスモッグ」が発生します。
 
この年の12 月5日から8日にかけて、ロンドン市内に濃いスモッグが立ちこめました。 視界は数メートル先までしかなく、交通機関はまひし、屋内にまで侵入したスモッグで見えないためコンサートや映画もキャンセルになったそうです。事件の 50年後にあたる2002年に発行された資料※)には、大気中のすす粒子とSO2(二酸化硫黄)の濃度は、通常の数値の5~10倍 (それぞれ最大1立方メートルあたり4.5ミリグラムと3.8ミリグラム(注1)にまで上昇したとあります。 スモッグ発生から2週間の死亡者数は、それまでの年の同時期に比べて3,500~4,000人多く、これがスモッグによる死亡者数とされました。 死因のほとんどは、呼吸器系か循環器系の疾病でした。

 
これは極端な被害の例ですが、この時代、先進国の多くの都市は多かれ少なかれ大気汚染の問題を抱えていました。高度経済成長期に入りつつあった日本も例外ではありません。1960年ごろから四日市市とその近辺で多数の人がぜんそくのような症状を訴え、これは、石油化学コンビナートからの排煙に含まれるSOx(硫黄酸化物)が主な原因であることが分かりました。四大公害病の一つである 四日市ぜんそく です。これを受けて1968年に大気汚染防止法が制定されましたが、問題はこれで終わりませんでした。前述のように、1970年代には「光化学スモッグ」が頻繁に発生するようになったのです。目やのどに痛みを感じたり、呼吸が苦しくなったりして入院する人もいました。
 
(図2は、大気汚染が問題になっていた時代から現在に至るまでの、浮遊粒子状物質(SPM=Suspended Particulate Matter)濃度がどのように変わってきたかを示します。大気汚染防止法による規制の強化や、自動車や工場の排出ガスから有害物質を除去する技術の向上により、SPMの数値は年とともに減少し、計測開始以来、現在が最も低い数値であるのが分かります。「PM2.5」はSPMの一部に当たりますから、 SPMに対する「PM2.5」の比が一定だとすれば(実際には大気汚染のひどかった過去の方が高いと推測されますが)、昭和50年前後の「PM2.5」濃 度は平成23年度の2倍以上(自排局(注2)の数値では3~8倍)だったことになります。最近出現した新種の有害物質のように思われがちな「PM2.5」 ですが、1970年代を生きた人の多くは、現在よりずっと高い濃度の「PM2.5」にさらされた経験を持っているのです。


※ 参考文献:Greater London Authority: 50 years on; The struggle for air quality in London since the great smog of December 1952, Greater London Authority, London, pp.34, 2002.

(注1):このすす粒子(黒煙:Black smoke)の測定方法は現在「PM2.5」やSPMの測定に用いられるものとは異なりますので、数値を直接比較することはできません。 それにしても、PMの量としては信じ難いほど高い値です。 また、日本ではSO2(二酸化硫黄)濃度をppm(百万分率)の単位で表しますが、それに換算すると1.35ppmになります(日本の環境基準は1日平均値0.04ppm以下、かつ1時間平均値0.1ppm以下)。
(注2):自動車排出ガス測定局の略。 自動車の排気ガスが大きく影響する区域の大気状況を把握するため、交通量の多い道路沿いや交差点などに設置されます。

 

今でも発生するスモッグ…日本への影響は?

現在の日本ではあまり聞かれなくなりましたが、世界中の多くの都市では「光化学スモッグ」がいまだに根強い問題となっています。 今回のケースのように、中国では石炭燃焼が原因となって発生するスモッグもあります。よそから流れてくるスモッグの影響はどうなのでしょうか? スモッグで大勢の人が亡くなった例もあると聞けば、なおさら気になりますね。

スモッグにはPMだけでなく、その素となる、あるいは同時に生成される気体(SO2(二酸化硫黄)やNOx(窒素酸化物)、O3(オゾン)など)が混じり合って含まれています。 それらの気体の多くも毒性の強い有毒ガスです。停滞した空気の中で高濃度に蓄積された有害物質の混合物は、やがて発生地から離れて移動しますが、その間周 囲に拡散して広がり、濃度は薄まっていきます。 ガスの分子はPMよりも身軽ですから、より速やかに拡散します。「PM2.5」はガスほど速くは薄まらず、そのくせPMとしては小さいために、なかなか空気から取り除かれないという厄介な代物です。 それでも徐々には減っていきますし、雨が降れば雨粒と一緒になって地面に落ち、空気中から一掃されます。 こうして発生地から十分遠く離れた地点では、スモッグの影響はほとんどなくなります。


中国から日本までの距離は、そこまで長くはありません。2013年の1月末、北京市でスモッグが発生した後に日本の各地で「PM2.5」の濃度が上昇して、大騒ぎになったのはご存じのとおりです。しかし他の大気汚染物質の濃度は環境基準を超えるほど上がってはいませんし、「PM2.5」も北京市での濃度の5 分の1程度以下にまで減っていました。 上に挙げた例にあるようなスモッグの被害は、極端に高い濃度にまで蓄積されたPMと有毒ガス(多くの場合SO2(二 酸化硫黄))の両方によるものです。薄まったスモッグの名残で「PM2.5」が普段より多くなったぐらいでは、そう深刻にとらえる必要はないでしょう。ただし、「PM2.5」が体に良くないというのは確かですから、濃度が上がると予測される時には防止対策を取るのが賢明です。

中国から運ばれてくる「PM2.5」ばかりが取り上げられがちですが、日本国内で局地的に「PM2.5」濃度が上昇する場合もあります。「気温逆転現象」が起きている時に多量の煙や排気ガスが継続して出されると、それらが蓄積して「ごく小規模なスモッグ」の状態になるためです。これは気温の逆転や汚染源がなくなればやがて解消します。
 
いずれにしろ、日本で「PM2.5」濃度が1立方メートルあたり100マイクログラムを超えることはめったになく、濃度が上昇する期間も1回につき長くて数日程度です。その間さえ気をつけていれば、怖れることはありません。

 

第3章 黄砂の仕組みとその正体 地球環境への影響は?

 

春を告げる風物詩

厳しい冬を乗り切った後の春の訪れは、誰もが喜ばしいと感じるものです。とはいえ、花粉症に悩まされる人には、ちょっと憂鬱なところもあるでしょう。花粉と並んで、このところ春の厄介者とされているのが「黄砂」です。  2013年に「PM2.5」が話題となった際には「『黄砂』が来るようになるとさらに悪影響が…」と盛んに報じられ、すっかり悪者になってしまった観があります。

「黄砂」は春のものという認識は古くからあり、俳句に詠み込まれる春の季語にもなっています。「黄砂」という言葉は比較的新しく、以前には「霾(ばい・つちふる)」が用いられていました。「春がすみ」や「おぼろ月」のように景色に霞みがかかって見えるのも春に多い現象ですが、こ れにも「黄砂」の関わるものが含まれるでしょう。空気中に黄砂粒子などのPM(粒子状物質)がたくさん浮遊していると、太陽や月の光が散乱されて、ぼんやりとかすんだ状態になります。


現代では誰もが「『黄砂』とは、アジア大陸の乾燥地帯から発生した砂塵が日本を含む東アジア一帯に飛来してくるもの」と知っています。この現象が起こるためには、1)乾燥地帯で強風により砂塵が巻き上げられる2)上空の大気の動きで東へ運ばれる、の条件が整うことが必要で、それが春季に当たるわけです。

「黄砂」の発生地となっている乾燥地帯では、冬の間降水量が特に少なく、植物も枯れて土壌がむき出しになった状態です。しかし冬季には大陸は高気圧で覆われ、砂塵を巻き上げるような強い嵐が発生することもあまりありません。春の訪れとともに気温が上昇してくると、大陸の上空で低気圧が発達するようになり、地表の固い凍土も解けて、大規模な砂塵嵐が次々と起こり始めます。


嵐で巻き上げられた砂塵は上空の大気の動きに伴って移動しますが、日本を含む中緯度地域には、普遍的に西から東へと向かう大気の動きである偏西風があります。天候の変化が常に西から東へ順次移動していくのも偏西風のためです。この偏西風に乗り、あるいは偏西風によって移動してくる低気圧とともに、 「黄砂」は大陸内陸部から日本へと飛来します。
季節が夏へと移り変わって気温がさらに上がると、日本付近では太平洋高気圧の勢力が増し、西からの 大気の動きをブロックするようになります。同時に「黄砂」の発生地でも砂塵嵐の頻度が減って、「黄砂」の季節は終わりを迎えるのです。 ただし、上に挙げた1)、2)の条件がそろいさえすれば春以外の季節に「黄砂」が見られることもあり、ここ数年間は秋や冬にも何日か「黄砂」が観測されて います。

 

黄砂の粒子はどんなもの?

「黄砂」はいわゆる「土埃」ですので、含まれる粒子の成分は、どこにでもある砂や泥と大きな違いはありません。砂や泥は、もともとは硬い岩石が風化して細かい粒になったもので、ひと粒ひと粒は岩石を構成していた鉱物です。これらがPMとして空気中に漂っている場合は「鉱物ダスト」と呼ばれます。鉱物ダストのうちで、アジア大陸内陸部を起源とするものが「黄砂」で、英語の文献では “Asian dust(アジアのダスト)” と呼ぶのが一般的です。「黄砂」以外に、大規模発生する鉱物ダストとしてサハラ砂漠起源のものがあり、季節に応じてヨーロッパやカリブ海周辺の国々に影響を及ぼします。

鉱物には数多くの種類があるため、個々の黄砂粒子の化学組成は実にバラエティーに富んでいます。多くはケイ素やアルミニウ ムを含むケイ酸塩で、各種の粘土鉱物や石英、長石が代表的なものとして挙げられます。また、カルシウムやマグネシウムなどを含む炭酸塩や硫酸塩も、一般的です。粒子の形もまたさまざまで、粘土鉱物なら平たい板状、長石ならコロコロと丸みを帯びた形など、鉱物の種類によって異なります。アスベストに見られるような針状や繊維状の形をとるものもあり、健康影響の点で好ましいものではありません。

岩石が崩れてできた鉱物ダストである黄砂粒子は、 PMの中では比較的大きい部類に入ります。もともと大きな物体であったものをすりつぶして細かくしようとしても、限度があるからです。砂塵を巻き上げた嵐の強さや規模にもよりますが、日本で見られる黄砂粒子は2~6マイクロメートル程度のものが多いとされています。ただし、大きさの幅は広く、1マイクロ メートル以下のもの、逆に10マイクロメートルを超えるようなものも少なくありません。大気中を運ばれていく間に大きな粒子は重力で下に落ちていくため、 滞空時間が長くなればなるほど、小さな粒子の割合が増えます。


よ く「『黄砂』と『PM2.5』の違いは?」という質問を受けるのですが、ここで少し説明しておきたいと思います。「PM2.5」というのはPMを大きさだ けで区別した分類で、粒子が何でできているのかという点はまったく考慮されていません。 2.5マイクロメートルより小さければ、鉱物ダストであろうが、すすであろうが「PM2.5」です。 黄砂粒子の中には2.5マイクロメートルより小さいものもたくさんありますので、「黄砂」が飛来するときには「PM2.5」の濃度も上がるのです。 前章の「冬が本番?「PM2.5」再来!」で述べたように、石炭燃焼の煙や自動車の排気ガスに由来する人為起源の汚染物質は粒子のサイズが小さく(多くは 0.5マイクロメートル以下)、普段の「PM2.5」の大部分を占めます。 そのため「PM2.5=人為起源の汚染物質」と解釈している方が多いようなのですが、実際にはこれは正しくありません。

 

黄砂がもたらすもの

ゴビ砂漠や黄土高原といった乾燥地帯から巻き上げられる「黄砂」は年間約1億tにも上り、そのうち数百万tが日本の上空に飛来すると見積もられています。 「黄砂」は日本に到達するまでに2000km以上の距離を移動してくるわけですが、その旅の途中で、発生源の異なるPMと混じり合ったり、大気に含まれる ガス類と反応を起こしたりして性質が変わります。特に、アジア大陸の東部に位置する中国の大都市・工業都市から出る大気汚染物質との関わりは、かなり以前から注目されていました。

代表的な汚染物質である硫黄酸化物 や窒素酸化物は、大気中での反応により硫酸および硝酸に変化します。このような気体からの反応は、一般に、気体分子が吸着する足がかり(「核」と呼びます)が存在するとより速く進みます。大気中に漂う黄砂粒子がこの「核」としての役割を果たし、反応を促進する可能性が指摘されています。 また、PAH のような有機化合物の反応にも関与し、より有害性の強い物質へ変化させるという研究もあります。「黄砂」も汚染物質も大陸から日本に向けてやってくるもので、切っても切れない間柄にあるといえるでしょう。
「黄砂」と一緒にやってくるのは汚染物質だけではありません。「黄砂」発生地で砂塵嵐が起こるとき、土壌の中に住んでいた細菌(バクテリア)類やかび類も、砂塵と一緒に上空へと巻き上げられて空中の長い旅を始めます。かび類の多くは胞子の形で移動 しますが、比較的サイズの小さな細菌類には、より大きな黄砂粒子を「乗り物」とするものもあるようです。太陽の紫外線と乾燥にさいなまれる空中の旅は、これらの微生物にとって決して快適なものではありません。しかし、どうにか生き延びてどこかの地面に着地すれば、その地で繁殖することが可能です。このような場合、着地点の生態系を乱してしまう懸念もあります。「『黄砂』は体に悪い」と言われるようになったのは最近のことですが、健康影響の問題がなかったとしても、やはり「黄砂」は私たちにとってありがたいものではないでしょう。 景色はぼんやりと見えにくくなりますし、せっかく洗ったばかりの洗濯物や車も汚れてしまいます。こんな厄介者は地球上からなくなってしまった方がいいので しょうか?

日常生活の中であまり感じられることではないのですが、「黄砂」にも良い面はあります。その例として挙げられるのが、酸性雨を緩和する働きです。大気中に汚染物質が多いと雨水のpHが低くなりますが、「黄砂」が飛来している間は、雨水のpHがやや上昇することが知られています。これは主に、黄砂粒子に含まれる炭酸カルシウム(石灰:CaCO3)によるものです。炭酸カルシウムは酸性の水溶液に溶けて酸を中和するため、黄砂粒子が酸性雨と一緒になると雨水のpHを引き上げます。「黄砂」は汚染物質を伴ってやってきますが、その一方で、汚染物質の悪影響を軽減するという二面性を持つのです。

 

黄砂に支えられている生態系

もう一つ黄砂粒子に含まれる重要な成分は鉄分です。「黄砂」は東シナ海や太平洋にも降り注ぎ、海洋表層に住む植物プランクトンの活動を左右します。植物プランクトンは海水に溶け込んだ二酸化炭素(CO2) と日光を利用して光合成を行い増殖しますが、そのためには、硝酸塩やリン酸塩、鉄分といった栄養分も欠かすことができません。 陸地から遠く離れた洋上では特に鉄分が不足しがちで、黄砂粒子はそれを補う供給源となっています。植物プランクトンが増えれば、それを食べる動物プランク トンが増え、さらにそれを食べる魚類が増え…という海洋の生態系も、「黄砂」に支えられているのです。
「黄砂」やサハラダストは毎年大量に発生し、大気中を長時間漂って、地球全体の「健康状態」にも関係してきます。最近公表されたIPCC(気候変動に関する政 府間パネル)の第5次報告書には、鉱物ダストを含むPM(図3では「エーロゾル」とされています)の多くは地球温暖化をくい止める方向に働くとあります。 これらは太陽光を散乱させ、また雲を作る核となって、地球を温める太陽エネルギーの一部を宇宙空間にはね返す効果を持つからです。仮に「黄砂」やサハラダストがまったくなくなるとすれば、大量の鉱物ダストがもたらす冷却効果も期待できなくなり、温暖化の進行を加速することになってしまうでしょう。

昔の人にとって風情を味わうものであった「黄砂」ですが、科学の進歩により、健康に有害なものと分かってきました。だからといって、自然現象である「黄砂」 の発生と飛来を人間の手でコントロールすることはできません。「黄砂」の持つ良い面も認めてやり、「春の使者」を迎える気持ちで過ごしてみてはいかがで しょうか。その際は、同じく科学がもたらした黄砂予報や大気環境のデータチェックをして、対策を講じることもお忘れなく。

 

PM2.5とは一体何なのか?

 

PM2.5とは、あくまで粒子のサイズ。

空気中に浮いている粒子の2.5μm(2.5mm1000分の1のものをPM2.5という総称として呼んでいるのであって、特定の物質の名称ではありません。

しかし、その超微粒子の中には、燃料の燃焼によって発生する、硫黄酸化物、窒素酸化物や、揮発性有機化合物などのガス状の大気汚染物質が含まれています。

 

(注)PM2.5は2.5µm(マイクロメートル、以下µmと呼びます)の微細粒子で、大気中を浮遊する有害物質です。
2.5㎜(ミリメートル)の1000分の1以下、すなわち0.0025ミリと言うちょっと想像できないくらいの小さい単位です。

 

人間の髪の毛の32分の1

日本人の標準的な髪の太さが、平均で約60~80µm(マイクロメートル)と言われています。
ですから、PM2.5の大きさは、平均的日本人の髪の毛の約24分の1~32分の1と言う大きさになるわけです。!
ちょっと雑学っぽくなりますが細い毛髪で50~70µm(猫の毛と同じ位細い)、普通の髪の毛で80~90µm、太い髪の毛で100~150µmくらいとか…。(西欧人の金髪が60µm程度)。ちなみに、赤ちゃんの産毛(うぶ毛)が40µmだそうです。

 

スギ花粉の12分の1

花粉症を引き起こす代表的な粒子としてスギ花粉があげられます。

実は、PM2.5はこのスギ花粉の12分の1の大きさなのです。
では、スギ花粉はどの位の大きさなのでしょうか?
スギ花粉は約0.03mmの大きさ(30µm)と言われています。あんな小さな花粉がPM2.5の12倍の大きさなのですから、ちょっとびっくりです
ネ。

 

 

PM2.5の影響で凶悪化!? 毎年の花粉症の治療と予防の4つのポイント

 

 

 くしゃみだけじゃない、空咳や息苦しさ、肌荒れなども花粉症の影響?かもしれません。

 花粉症というと、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙が代表的ですが、症状はそれだけではありません。

 

人によっては、症状はさまざまな部分にあらわれます。 肌荒れや咳なども花粉症の症状です。

中でも今年はPM2.5などの影響から、花粉症に変化を生じる可能性もあると考えられているのです。空咳なんだか息苦しいなど今まであまり多くなかった危険な症状も現れているのです。

 

PM2.5の影響+糖質過多な生活が花粉症を悪化させる!

花粉症と上手につき合うにはまず敵を知ることが大事です。

 

何の花粉に反応するのか、アレルギーのもとを調べる

花粉症と言っても、何の花粉に反応しているかによって時期も異なります。スギ、ヒノキ、ブタクサ、松、イネ、ヨモギなど、自分が反応している花粉は何かを医療機関できちんと調べることは必須です。

 

PM2.5の飛来で花粉症が起こりやすくなる!

スギがたくさん生えた山の中に暮らしていても花粉症にならない人もたくさんいます。花粉症の発生には、車の排気ガスなどに含まれる“窒素酸化物”の影響があると言われています。窒素酸化物と花粉の物結合物を体内に吸い込むと、花粉症になる可能性が高まります。今問題になっているPM2.5は、そう考えると、 花粉症の発症が高まる危険もあるのです。

また最近、本来は大きい花粉症の粒子が破壊され小さくなっているという報告もあるようです。その細かくなった粒子が肺の奥にまで届くと、肺に炎症などのトラブルも発生してしまうことも。空咳が続くとか、息苦しさを感じたら即呼吸器の専門医を受診しましょう。

 

甘い物好きは花粉症を悪化させる!

食生活も花粉症に影響します。 特に問題になるのは甘い物。 急激な血糖値の上昇を繰り返し続けていると、このエネルギーがアレルギー反応に利用されやすくなり、アレルギーを起こしやすくなるのです。

 

放っておくと・・・

放置しても花粉症はよくなりません。  治療と予防は必須です!

 

よく花粉症かもしれないのに、「まだまだ自分は違う」と認めず頑張っている人がいますが、それは逆効果です。放っておくと逆に症状は悪化します。

 

また、年齢とともに免疫力も次第に下がるので、放置は禁物なのです。まずは、症状が出たら、自己判断せずに、原因は何かを専門医できちんと診断することが大事です。 特に、今年はPM2.5の影響で、肺にトラブルが起きている人もいます。 なんだかいつもと違うという不快を感じたら受診しましょう。

 

 『 治療+毎日のちょっとした工夫で花粉症に負けない体を! 』 

 

花粉症の症状が大きく出ている人は、症状を抑えるには一度十分な治療を受けることが必要です。ですが、毎日の生活で症状を和らげ、薬の量を減らすことも可能です。そんな対策ポイントを4つお伝えしましょう!

 

対策1   ツルツル素材のアウターで花粉を付着させない

花粉を体内に入れないように防御することはやはり大事です。 マスク、メガネはもちろん、家に入る前に花粉を落とすだけでも症状は軽くなります。 コート帽子等は家の玄関にかけて、家の奥に持ち込まない。 花粉症がひどい人は、この時期はコートなど一番上に着るものは、表面がツルツルとした素材のものを選んで、花粉を付着させないようにしましょう。 ウールなどは付着しやすいのでオススメできません。

 

対策2   より細かい粒子のマスク選びを

お話したように、最近は花粉の粒子が細かくなっているという報告も。これを体内に入れてしまうと厄介です。また、PM2.5も防御すべきなので、今年はマスクを選ぶときにできるだけ目が細かいものをチョイス。 PM2.5対策用のマスクも出ているのでそういったものを選ぶといいでしょう。

 

対策3   甘い物、炭水化物の食べ方を工夫する

血糖値を急上昇させるとアレルギーを起こしやすくなるので、甘い物は量の調節が大事です。 デザートを摂るなら、寒天など血糖値が上がりにくいものを選ぶといいでしょう。 また、食事をするときにもご飯、パン、パスタなどの炭水化物を最初に食べないように順番を変えてみましょう。 汁物や野菜、たんぱく質などを食べてから、炭水化物を摂るように心がけて。

 

対策4   免疫力を上げるために“たんぱく質”を食べよう!

肉、魚、卵、チーズといったたんぱく質は、日本人女性は「太りたくない」と避けている人が多く、摂取量が足りていない人が多いので、バランスよく摂取しましょう。

 

 

 

 

 

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